本田未央「絶対に許さない」
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4: ◆Freege5emM[saga]
2016/11/03(木) 22:54:44.19 ID:5It74+0Mo

「プロデューサー。これは、イヤらしい意味じゃなくて……
 私……アイドル・本田未央にとって、必要なことなんだよ」

部屋はあまり広くない。
家具はベッド、机、椅子が一つずつと収納で、すべて清潔だが簡素。
没個性で、まるでビジネスホテルのようだ。

そのベッドに、女子高生アイドルの未央が仰向けに横たわっている。
ダークブラウンのショートヘアは、快活さを強調する外ハネを決めている。

着込んでいるのは、以前南の島のグラビア撮影で使った、夏らしいオレンジ色のビキニ。
未央は両手で自分の胸をかき抱いていて、トップスの左側にあしらわれた筆記体が指で隠れている。
しかし未央の細腕は、自身の胸の膨らみを覆うには不足で、稜線のすそは隠れていない。

ボトムスはトップスと揃いのオレンジだが、こちらは飾り紐と生地のボーダーがアクセント。
ヒップの部分のベッドが沈んでいて、その具合から肉付きの豊かさがうかがえる。

脚は正面から見た幅は細い。
しかし少し角度を変えると、ダンスレッスンの賜物か、張りのある裏腿の曲線が見える。
スリムではあるが華奢さは感じさせない。

この部屋と未央の姿の取り合わせを、プロデューサーはひどくミスマッチに感じた。



「未央が真面目なのは、分かっているつもりだ」

本田未央担当のプロデューサーは、未央に返事しつつ、
おかしなことになっているな、と心中で笑った。

「プロデューサーは、何だかんだ長くて深い付き合いだし……
 男の人の中では、一番信頼できるの。だから、私は」



このプロデューサーは、有能で仕事熱心ではあったが、
職業倫理については問題があった。

彼のモチベーションの大半はアイドルに対する下心で、
彼女らと一時でもいい仲になれるならば、あとでクビになっても、
別に死ぬわけではないし構わない……とさえ思っていた。

対して、未央はアイドルという仕事に真剣に取り組んでいた。

ハードなレッスンをこなす。
仕事の出来に、飛び上がるほど喜んだり、泣くほど落ち込んだりする。
他のアイドルとも積極的に交流し、事務所ではムードメーカーとして知られている。
学業と芸能活動の両立で休む暇がなくても、不満を漏らさない。



「男の人が……プロデューサーが、私としたいと思ってる……えっち……しよう、よ」

そんな未央が、アイドルとしてファンのために磨き上げた肉体を、
目の前の男に投げ出して、セックスに誘っている。

「な、なんで笑うのさ、プロデューサーっ!」
「……他意はない」

未央とこうして腕を絡めるのは、何度目だろうか。
プロデューサーは数えていない。

ただ何度繰り返しても、プロデューサーにとってこの関係はおかしかった。
欺瞞に満ちていた。夢としか思えないぐらい現実感が希薄だった。

「嫌だと思ったら、すぐに俺を止めろよ。未央のためなんだ、未央の具合に合わせなきゃな」
「わ、分かってるってば」

未央は、自分の胸を押さえつけていた両腕を開いた。
それを合図に、プロデューサーは未央の肌へ手を延ばす。




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