47: ◆Freege5emM[saga]
2016/11/06(日) 23:22:54.32 ID:M+Cz0DUCo
「未央ちゃんに、何か悩みが……ですか?」
プロデューサーは、一旦未央から直に探るのを控えて、
藍子と茜から未央の状態を探る――搦め手から未央の引っ掛かりに迫る――ことにした。
この日プロデューサーは藍子と『街角のティーンが注目しそうなスポットを知りたい』
という名目で会っていた。
藍子から案内されたのは、事務所から少し離れたところの、自然公園に隣接したカフェ。
オープンしたばかりで、藍子も一度行ってみたいと思っていた店、とのことだった。
穏やかな日差しの注ぐテラスは、長話にうってつけそうだった。
「なんとなくそんな気がして、藍子はどう思ってるか気になったんだ。
未央は、ああ見えて小心者なところがあるから」
なお茜からの情報収集は、はかどっていない。
茜と自然な形で会おうとすると(プロデューサーにとっては)高負荷な運動が付随して、
プロデューサーの気力体力が消耗し、未央について聞き出すどころではなくなってしまうのだった。
もっとも藍子相手でも、プロデューサーは藍子のゆったりとしたペースについ合わせてしまい、
核心に迫るまでには、それなりの日数を費やしていた。
「ポジティブパッションも、結成当初から未央ちゃんが引っ張ってくれますけど、
そういう立場でプレッシャーをためてるのかも知れませんね。
そうだとしても、未央ちゃんはきっと私たちに気取られないようにするでしょうし」
言葉を途切れさせた藍子は、ぬるくなったミルクティで唇を湿らせた。
「未央は、藍子にも虚勢張ったり空元気だしたりするのか」
「……ソロの“ミツボシ☆☆★”のお披露目のときは、かなりそわそわしていました」
藍子の目からも、未央の一人で抱え込みがちな面が見えるようだった。
「でも、そういう時に私がしてあげられることといえば、
お茶とかに誘うぐらいしか……私のほうが歳上なのに。
もう少しなんとかできれば、と思うんですが」
ただ藍子の性格からして、人が隠していることを聞き出す、というのは不得手のようだった。
「……ごめんなさい。お力になれそうもなくて」
「いやいや、この話はもののついでみたいなものだ」
プロデューサーは深入りを避けた。元々、プロデューサーから藍子を誘ったのだ。
なのに藍子に対して未央のことをしつこく聞き出すと、藍子を軽んじているとも見えてしまう。
「最近は藍子たちの活躍のおかげでプロデューサー業が慌ただしくて、
たまには藍子みたいな子とゆったり過ごす時間がないと、身がもたないんだ」
「へぇ、私のことはついでだったんだ」
声の主が誰か――それを認識した瞬間、
プロデューサーは手のカップを危うく取り落としそうになった。
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