13:名無しNIPPER[saga]
2016/11/13(日) 22:28:04.25 ID:SCcUv2gf0
口に指を三本も突っ込まれて、長くもない舌を無理やり引き出される。
あえぎと一緒に洩れたよだれが糸を伸ばして、枕に染みを作る。
聖來「あへぁっ、むあっうあっ、あひゅっ、んっぅくぅあ、んあっ! あっ! あ゛!」
さっきまで淑女だったアタシは、いま、メスのわんこみたいに後ろから腰を打ち付けられていた。
でももう、四つんばいも続けられないくらい全身ガクガクで――呆気なく、自分で垂らしたよだれの水溜りに、どちゃっと顔から崩れ落ちた。
背中の開いたドレス、踊るに踊れない髪のセット、触れたら壊れそうなグラス、背伸びより高いヒール。
パーティー会場での立ち振る舞いにも慣れてきた。かつてはPさんが付きっ切りだったけどね。
今では、アタシはディレクターや共演者その他諸々の人に挨拶したり、挨拶されたりしながら、あちこちでお客さんと談笑するPさんを観察する余裕も出来ていた。
Pさんはホールの反対側で、いつものようににこやかにお客さんを応対していた。
きっと今、あの立派そうな人から次のお仕事を引き出そうとしているのだろう。
大変だなーなんて思っていると――、一瞬で、視線をつなげられた。この広い会場で、最初からアタシの位置が分かっていたみたいに。
そのことが、とてもうれしかった。わんこみたいに尻尾があったらぶんぶん振っていただろな。
ほおっておかれて寂しいなんていうオトナ気ないキモチは、多分伝わってしまって、後でいじられちゃうだろう。くやしいけど仕方ないね。
そして、Pさんの意図を理解したアタシはできるだけ何気ない風で出席者とテーブルをすり抜け、彼らに歩み寄った。
もう話はまとまり掛けていた。
アタシの仕事は、最後に、小奇麗に自己紹介することだけだった。
許容量の半分ぐらいのアルコールでパーティをこなした後、Pさんのお部屋で、二人だけの二次会。それがお決まりだった。
気兼ねなく酔って、泥酔の一歩手前で――Pさんとアタシは、プロデューサーとアイドルという関係から解き放たれる。
背中の開いたドレス、踊るに踊れない髪のセット、触れたら壊れそうなグラス、背伸びより高いヒール――どれもわんこにはいらないもの。
必要なのは、飼い主からの首輪だけ。
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