120:テスト ◆71vVbFpf.c[saga]
2016/12/12(月) 10:05:25.91 ID:k6IVEhkr0
翼の運動神経は、想像よりも悪かった。いや、運動神経というより、彼女のスノボーに対するセンスは、絶望的に悪かった。
翼「もー何なのよ!このビンディング、雪が詰まって全然セットできないじゃない!」
僕「僕が買いたくても買えないモデルを買ったくせに・・・」
翼は、Burtonの当時の最新モデルだった。僕は高くて全然手が出なかったのに、彼女はそれを買った。
翼「竜也君はいいね!使いやすそうだね!」
僕「たぶんだけど、慣れだよ・・もうちょっと頑張ろう」
翼「もうやだ休憩する」
豊「よし休憩してろ竜也行こう」
僕「さすがにそれは・・」
豊「・・・ったく。じゃあ俺もちょっと休憩するか。」
結衣「竜也君、一緒に滑りに行こう。」
僕「あら付き合ってくれるのありがとう。」
結衣「もう中級コースくらいなら行けそうだね!」
僕「コースよりもリフトに乗るのが怖い!足元が巻き込まれそう!」
結衣「大丈夫だよ。あっちのコースはゴンドラだから、ボードは外して乗れるよ!」
僕「確かにその方が安全だな。じゃあ結衣ちゃんよろしくー」
結衣は上手で丁寧な滑りだった。僕のペースを見ながら、ニコニコしながら後をついてきてくれた。
好きな所へ行っていいよーというスタンスだった。
結衣「やっぱり滑ると気持ちいいね!」
僕「気持ちいけど!足が痛い!頭打った!逆エッジ怖い!」
結衣「あはは!慣れるよそのうち!竜也君上手だよ!2回目なんて思えない!」
僕「ごめんしゃべる余裕がない!!ぎゃーっ!!」
結衣「だ、大丈夫!?きゃー!」
結衣は、急にコケた僕に気を取られ、逆エッジになり、派手に転んだ。
その日は新雪だったので、僕たちの周りに雪が舞った。
僕「はー。ちょっと休憩。」
結衣「そうだね。休憩休憩。」
ペットボトルの水を飲む。
僕「結衣ちゃん上手いねホント。よく来るの?」
結衣「んー、大学が東北だったから。彼とよく行ってたなー。」
彼とは遠距離恋愛。
就職先もかなり離れているらしく、最近はなかなか会えずにいるらしい。
結衣「だから、最近ちょっとさみしい。」
僕「お正月は会わないの?」
結衣「うーん、彼は会いたがってたんだけどね・・・彼の空いてる日程には私の都合がつかなくて。会えるのは2月かな。」
僕「そっかそっか。会えるときに会っておいた方がいいよ。じゃないと、僕みたいになっちゃう。」
結衣「え?!竜也君別れちゃったの?!」
僕「うん・・」
滑りを再開し、かいつまんで話した。
結衣「竜也君モテそうだし、すぐ彼女できるよきっと。」
僕「だといいですけどw」
結衣「・・・私も、遠距離・・・無理なのかな・・・」
僕「・・・・」
結衣「・・・・」
僕「別れちゃった僕が言うのもなんだけど、」
結衣「ん?」
僕「僕以外の友達は、まだ遠距離続いてるんだ。結衣ちゃんもだけど。」
結衣「そうなんだ。」
僕「大学の友達もそう。この春に、結婚する子もいる。」
結衣「そっか。離れて大切さがわかるって感じなのかな。」
僕「きっとそうだね。」
結衣「心細い時、側にいてほしいほしいもんなぁ。彼に。」
僕「そんな時、次に会う時までその思いを大切にしようと思うのか、それとも、別の出会いを求めるようになるのかの違いじゃないかな。別れる別れないって。」
結衣「心に余裕があるときは、良くわかる話ね、でも、やっぱり心細いのには、耐えられない時があるな。」
僕「・・・心に迷いがあると、悪意あるヤツに付け込まれるよ。僕がその悪いヤツかもしれない。気をつけなよ。」
スキー場で良かった。夜、飲みながらこんな話をされたら。。。無理矢理何かしてしまうかもしれない。
結衣「大丈夫よ。竜也君のこと信頼してるから。」
心が痛かった。
僕「はいはい。裏切らないように頑張りますよー。」
結衣「・・・あのね竜也君」
僕「どしたん?」
結衣「・・・今夜、ちょっと相談していいかな・・・?」
僕「ああいいよ。」
その夜の相談内容は、僕の想像を超えるものだった。
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