彼女達との思い出
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132:テスト ◆71vVbFpf.c[saga]
2016/12/13(火) 09:30:00.84 ID:ZFEkVD+S0
年始から年度末にかけて、部署内は慌ただしい。僕も(まだまだ分からないことだらけだが)それなりに仕事に慣れ、自分だけの案件も持ち始めていた。

新人研修の時に同じ班だった営業の男がいる。
綾野剛似、以下剛。

剛は、先述したが、新人トップの成績で研修を終えている。
希望の配属先は田舎で、希望通りの営業所に行った。
当時の彼女を配属先に呼び、すぐに結婚した。

以降、特に接点はなかった。

僕「お電話変わりました。」
剛「竜也君?久しぶり。綾野です。元気にしてた?」
僕「剛君か。久しぶりだね。元気元気。そっちは?子供産まれるんだっけ?」

少し、懐かしい話をする。

剛「んで、本題なんだけれど。実は、お客さんの話を聞いてるうちに、ちょっとしたアイデアが浮かんだんだ。」
僕「アイデア?それなら、申請書のフォーマットあるから送ろうか?最近、僕もちょっとした問い合わせ以外は上司に申請出さないと動けないんだ。どんな案か知らないけれど、現場の声は書類で残しておいた方がいい。」

剛「俺も忙しいから、書類となると敷居が高くなるな。できれば、そっちで書いてくれないかな。」
僕「んー、じゃあ、今、話を聞くから、それを聞いて僕が書類に書くべきだと感じたら、現場の声からこんな意見があるよって形で書類にする。それでいい?」
剛「ああいいよ。俺は書類書くより現場でお客さんと話してる方が割に合ってる。」
僕「書類は大事だよ?いざ自分を守るのは、ペラペラの紙1枚だからね。」
剛「まーね。じゃあしゃべるから、竜也君の方で判断してくれ。」

内容は、案としては興味深いものだった。

法改正に絡んだ仕組みは各社作られ、市場は落ち着きつつある。いいこともあったが、一部のお客様にとっては窮屈に感じる事態もあるだろう。
そんな窮屈さを解消する、とてもニッチな商品・サービスだった。

僕の頭の中で、自分の知識と現場の声がリンクする。
直感的に、これは新規分野の開拓として調査くらいならしてもいいんじゃないかと判断する。

僕「それ、うまくいけばモノになるかもしれない。そのままだと微妙だけど、何かと組み合わされば・・・法改正後に生まれる、ちょっとした市場開拓くらいにはなるかも。」
剛「まー、そこまで大それたことじゃないんだけどさ、何かのアイデアの足しにてくれよ。じゃあ、またな。」

電話を切り、僕は、アイデアを具現化するために、企画提案書を作成した。
それは、A4で1枚の、走り書きのようなものだった。自分の中の案件として、仕事のレベルではABCD評価でD。

Aは新規事業開発提案。
Bは事業見直し案。
Cは現行品に企画追加案。
D。それは、「とりあえず調査だけしてみよう」という、片手間に処理する「調査案」

そう、この時は、ただの紙切れ1枚の、市場調査案だった。

まさか、この市場調査案が、僕の環境を一変させる内容に変わるなんて想像もしていなかった。


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