12:名無しNIPPER
2016/12/26(月) 20:18:34.11 ID:Wx0cP/u8o
ステップ、ステップ。何度も練習した身体は、軽やかに動こうとする。
そのたびにスカートがふわりと一瞬持ち上がって、悲鳴が出てしまいそうになる。
不自然な呼吸をおさえて、歌を続けようとする。
緊張と羞恥で震える歌声で、不自然に思われないだろうか。そんな不安が頭をよぎる。
だけど、幸いそこまで不自然に思われてはいないようで、ファンの皆さんはいつものように声援を送ってくれている。
なのに、私だけがスカートがめくれてしまわないか、それを見られてしまうのではないかという妄執に囚われてしまっている。
アイドルの私が「歌わなきゃ」と思っているのに、普通の私は恥ずかしさで身体が上手く動かない。
ちぐはぐな心と体が噛み合わなくなったとき、ステップが乱れて私は転んでしまった。
卯月「あ――」
すぐにスカートをおさえて立ち上がる。今の一瞬で、見えてしまっただろうか。
見間違いだと、思ってくれるだろうか。どこまで見えてしまったんだろうか。この失敗で、私は――
一瞬のどよめきのあと、後ろの方の席から「頑張れ」という声がかかったのを聞いて私は立ち上がる。
そうだ、歌わなきゃ。前列の方の人たちが一歩遅れて、私に声援をくれた。
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