75:名無しNIPPER[sage]
2017/01/09(月) 22:13:54.54 ID:Fc8VIDZwo
――本日は少々気温が上がりますが、朝晩の冷え込みは昨日までより激しくなるでしょう。
家を出る前のニュースで流れていた内容だ。なるほど確かに外は昨日までよりも気温は高い……のかもしれない。
しかし感じられる寒気は昨日までよりもずっとずっと明確なものだった。
普段着よりもずっと厚いコートを羽織っているけれど震えてしまう。
理由なんて、考えなくてもわかる。このコートの下に何も着ていないせいだ。
冷たい風が吹くと、コートの中にようやくたまった暖気が全てかき回されて追い出されてしまう。
断じてこれはボクの趣味なんかではない。絶対に違う。けれど、家に引き返すことはできない。
『彼』はどこかでボクを見ているんだろう。
そして、この送られてきた指示に背けばボクは――
どうなるか、なんてこと。想像すると、また身体が震えてしまった。
駅前でしばらく人を待つ。少しでも「マシ」な相手がいいけれど、あまり時間もかけられない。
断られて逃げられてしまってもダメだ。だから結局適度にいやらしそうな顔をしている中年男性に声をかけた。
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