明日を追い越して
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10:名無しNIPPER[saga]
2016/12/28(水) 15:37:57.09 ID:nd815OF9O


男「そうですよ」

俺と彼女を同じと見なすにはあまりに情報が足りなすぎた。
しかし、互いに何となく疲弊したような様子が一体感をくれた。

女「私も、酔った方に2軒目まで付き合わされて……終電までちょっと余裕ありましたけど、先に失礼しました」

男「その方と一緒じゃなかったんですか?」

女「え。あ……はい」

彼女の顔がこわばった。
野暮か。

男「ま、道中何もなくて良かったです」

年末は変な人も多い。



男「ふう」

この話はおしまいがいい。
わざとらしくお茶を飲む。

女「……」

彼女は、そんな俺の様子を控え目に伺っていた。
マフラーをつまんだ手を、口元に当てる仕草で。

男「どうしました」

女「あの、最寄りは、どちらですか」

男「え?」

意外な質問だった。

女「あ、その、どこで降りるんですか」

男「○○。その、終点の○○駅です」

つい答えてしまった……いや、危ない事はないよな?

女「あ……」

彼女がいっそうマフラーをつまみ上げ、顔を隠している。
困った眉をして、縮こまっている。



女「私も、同じ。同じなんです」



男「……。あら」

女「その、はい」

出た返事が「そうなんですか」で無いあたり、俺は彼女に興味を抱き始めていたんだと思う。


ガタンゴトン……


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