11:名無しNIPPER[saga]
2016/12/28(水) 22:55:30.83 ID:zTK2mWKQO
「まもなく終点、○○、○○ です。……」
プシュー……
電車からは3人ほど人が出てくるばかり。
ぶつかる影もないのに、彼女は俺の後ろを小さく歩いていた。
男「酔いとか、眠気とか、平気ですか? なんか飲みます?」
女「あ、その、いえっ」
……?
どこか違和感があって彼女の顔付近を覗き込む。
男「……耳」
女「えっ、な」
男「耳がだいぶ赤いです。さっきので、風邪でも引きましたかね」
女「え……! それは、その」
男「無理しない方がいいですよ」
自販機に電子マネーをかざす。
彼女が両耳をグニグニ握って冷やしている隙に、冷たいお茶と温かいレモネードを買った。
女「あ、あの……?」
男「冷たいのと、あったかいの。どっちなら飲めそうです?」
女「ぁえ!?」
ふたつ差し出すと素っ頓狂な声をあげた。
男「俺ふたつも飲めないんで、早くもらってください」
我ながら強引でいやらしい。でも、もらってくれなさそうな人への常套手段でもある。
女「そ、そんな。そうとは言っても、う……」
……
改札への階段を登る間、彼女は黄色のボトルを両手にギュッとおさめていた。
77Res/62.66 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20