34: ◆dsJGber.Kg[saga sage]
2017/01/11(水) 02:51:56.89 ID:cFkZwbkF0
ユースケ「…なぁ」
サヤ「どうしました?」
手詰まり状態。沈黙に包まれていた車内で、ユースケが下を向いていた顔を上げた。
ユースケ「俺らも英雄と協力できないのか?」
当然の応え。英雄に勝てないなら英雄と協力すればいい。
平和を志す英雄とならば私たちもうまくやっていけるはずなのだ。でも。
メイ「そのために私たちは仕事してるのよね…」
ナオト「そうなんだよね…」
英雄と協力するにはそれなりな評価が必要。今の私たちはただの国民と大差ないのだ。英雄の眼中にはないだろう。
国で暮らすために仕事をする。仕事の危機を減らすためには英雄との協力が不可欠。その英雄に知り合うためには経験と実績、実力が必要で、そのためには仕事をしなくちゃいけなくて…どん詰まり。
ユースケ「けどなぁ、こう低難易度の仕事で英雄に出くわして戦って…今まで策で勝ってきたが…」
サヤ「正面からじゃ勝てないってことですよね」
ユースケ「ああ。手も足も出ない。これじゃ運任せだ」
メイ「そうよね…。悪い英雄を放ってはおけないし、サヤだって危険な目にあっちゃう」
ナオト「なんにせよ対策は必要だよね」
サヤ「我らが軍師さんがもう少し冷静だと助かるんですけどね」
ナオト「あはは…善処するよ。それは本当に」
サヤ「と、ナオトのせいにするのはあれですし――本格的に何か戦力の増強を考えないといけませんね」
メイ「そうね。帰ったらお店に行ってみる?」
ユースケ「武器の新調か? サヤなら武器より魔法の気がするが」
メイ「ええ分かってるわ。この間良さそうな魔法のお店を見つけたの。皆で行ってみない?」
にっこりと笑い、さっきまでの暗い雰囲気はどこかに、機嫌よさそうにメイが問う。みんなとの買い物が楽しみらしい。女の子だなぁなんて和みつつ。
サヤ「いいですね。なにか手立てが見つかるかも」
ナオト「うーん、僕らは仕事の報告をしようかな」チラッ
ユースケ「だなぁ。人を荷台に置きっぱなしってわけにはいかんし」コクッ
メイ「え? 報告はみんなでしないの?」
ユースケ「いいっていいって。時間は有効に使わないとな。二人で見てこいよ」
メイ「そう? なら、お言葉に甘えて」
意味深に目配せをして頷き合う二人。メイが渋々といった感じで頷くと、彼らはいい笑顔で私へと親指を立てた。
…なんだろう。この、私に気を遣いましたみたいな。
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