73: ◆axPwtNeSoU[saga]
2017/01/14(土) 23:58:15.42 ID:4Skoll+A0
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それから、二人で、長い夜を過ごした。
狭いシャワールームに無理やり二人ぶんの身体を押し込んで、互いに洗いっこして。
二人で風呂に並んで浸かって、いろんな話をした。
鳳翔さんの料理で何が一番美味しいかとか。
間宮さんのスイーツで何が一番好きかとか。
俺の子供時代の事を話すと、何が面白いのか、北上が目を輝かせながら、もっともっととせがんできたり。
艦娘どうしの女子会でどんな猥談をしてるのかという話に、俺がドン引きしたり。
どの艦娘の制服のデザインが一番エロ可愛いか、を熱く真剣に語り合ったり。
「微妙過ぎて伝わらないモノマネ合戦」をなぜか二人で繰り広げたり。
好きな漫画や映画の話。
お互いのどこが好きで、どこにイラッとするかについての突っ込んだ話。
歴史の話や宇宙の話。
仕事の話は、二人とも、一言も口にしなかった。
にも関わらず、よくもまあ、と思うほど長い時間、色んな事を話し続けて。
風呂からあがる頃には、二人とも、すっかりのぼせてへろへろになっていた。
予備の浴衣のサイズが合わず、俺には丈が短すぎ、北上にとってはだぶだぶで。
お互いの姿を指差して、大声で笑った。
ふらふらしながら、惨憺たる有り様の布団やシーツを部屋の隅に片付けて。
新しい布団を敷き直すと同時に二人して倒れこんでしまい、また、げらげらと笑った。
馬鹿みたいにはしゃいで、馬鹿みたいに笑って。
明け方近くまで騒いだ挙げ句、仲居さんが起こしにくるまで二人して寝坊して。
部屋の様子に呆れかえりながらも微笑ましそうに笑う年配の仲居さんに、ぺこぺこ頭を下げながら、心付けを多目に包んでお渡しして。
時間の少ない中で、鎮守府の皆に買うお土産を選ぶために走り回り。
駅に着いたところで、帰りの切符がないと荷物をひっくり返す大騒ぎになって。
寝不足が祟ったのか、二人して列車の座席でお互い肩を寄せ合うようにして眠りこけてしまい、乗り過ごす寸前で目覚めて、大慌てしたり。
――とても、とても。
楽しくて、幸せな時間だった。
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