74: ◆axPwtNeSoU[saga]
2017/01/15(日) 00:05:11.77 ID:r6GIzwLA0
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駅から鎮守府へと向かう車の中。
俺たちは後部座席に並んで座り、ぼんやりとそれぞれの側の窓の外を眺めていた。
流れる景色や建物に見覚えがあるものが混じりはじめ、到着が近いことを伝えてくる。
「……楽しかったねぇ、提督」
後部座席の左側。ドアに肩をもたれかけ、窓に額を押しつけるようにして外を眺めながら、北上がぽつりと呟く。
「そうだな」
こちらも北上の方には顔を向けず、窓の外を眺めながら、口数少なく返す。
「……また、行きたいね」
「……また、行かなきゃな」
座席に置いた、北上の右手と俺の左手。その小指の縁だけが、軽く触れ合っている。
「……また、行こう。何度でも」
お互いの方は見ないまま。
手の位置は動かさず、運転手からは見えない位置で。
俺たちはそっと小指を絡めて指切りし、約束を交わした。
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