75: ◆axPwtNeSoU[saga]
2017/01/15(日) 00:10:49.62 ID:r6GIzwLA0
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――
車は、長い長い塀の横を通り抜け、大きな門の前で停まった。
大量の荷物を下ろし終えて、車が走り去った後。
北上がぴょんぴょんと跳ねるような足取りで門に向かって数歩進み、敷地内に足を踏み入れると、くるりと振り返った。
悪戯っぽい笑顔で、にっ、と笑う。
「……お帰り、提督」
「……ただいま、北上」
こちらも数歩、大股で歩いて北上を追い越し、振り返る。まじめくさった表情で、
「……お帰り、北上」
「……ただいま、提督」
顔を見合わせて、また、にっ、と笑い合う。
こちらの姿に気付いたのだろう。何人かの艦娘達が手を振って、こちらに駆けてくるのが見えた。
北上がぶんぶんと手を振り返す。
「……さてと、北上」
「……行きますかね、提督」
制帽をかぶり直し、髪を整え。
遠くから駆け寄ってくる仲間たちに向かってもう一度手を振り、俺たちは、せーの、と歩き出した。
――かくして、提督と艦娘の旅行は終わりを告げる。
――平穏という名の、非日常が終わり。
――戦争という名の、日常が始まる。
『北上さまとの温泉旅行』
FIN.
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