モバP「そうして俺は心配するのを止め高垣楓を愛するようになった」
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◆agif0ROmyg
[saga]
2017/01/13(金) 22:09:03.34 ID:m+LHJ2JO0
「楓さん。誘っていただけるのは嬉しいんですよ。
でもね、今まで散々言ったとおり、Pとアイドルが二人きりでい過ぎるのは良くないんです」
ふわりとして柔らかく、それでいてつややかな髪。
大きくて澄んでいて、宝石のように輝くヘテロクロミア。
元モデルらしい、細く引き締まった長身。
余分な脂肪がほとんど無い、スレンダーな肢体。
どこをとっても高垣楓の身体には非の打ち所が無く、独特の神秘的な雰囲気もあいまって、彼女をよく知らない人間からは近づきがたく思われることもある。
実際には、言葉遊びと飲酒を好む庶民的な面もあるのだが。
そういう一面を見せられる人間は、アイドルになる前までは余りいなかったのだろうか。
こうして、親しい者と一緒にいたがることも少なくない。
そんな彼女と共に過ごす時間を余り確保できていないのは、確かに申し訳ないのだが。
「誰かと飲みたいのはわかりますけど、お互いのために我慢してください。仕事がしにくくなったらどうします」
「その分、アイドル高垣楓が稼げばいいじゃないですか」
「何を馬鹿な。その、稼ぐための仕事が……」
「飲んでくれないというなら一人で飲みますよ。どこか外で、知らない人ばっかりのところで」
勘弁してくれ。
高垣楓がその辺の飲み屋で1人で杯を傾けてたら、きっと大騒ぎだ。
酔うと意外と抑制の効きにくい楓さんが、ファンと絡むくらいならまだしも、万が一犯罪にでも巻き込まれたら。
許す訳にはいかない。
「そんなの駄目です、危険すぎますよ……2人で飲むなら、どこかの飲み屋かバーでもいいでしょう」
「終電の時間なんかに振り回されず飲みたいんです。
それに、アイドルが男と2人で飲むってのも、これはこれでバレたらまずいんじゃないんですか?」
まったくもってその通り。
変装や防諜など、普段から気を使ってはいるが。
それでも秘密というのは、どうしたって漏れるものだ。
バーで二人でいるところを撮影される危険を0にはできない。
楓さんには、誰か女性の、例えばアイドル仲間とでも飲んでもらうのがベストではあるのだが。
彼女の独特のペースに好んで付いていきたがる人は多くない。
そもそも我が事務所には、楓さんと同年代のアイドルが少ない。
「ねえ、いいじゃないですか。前にも何度か来たこと、あるでしょう?」
「大きな声で言わないでくださいよ、そういうこと。送り迎えしただけじゃないですか」
「ふふっ、そうでした」
そんなこんなで押し問答をして、結局根負けして、その夜の家飲みを承諾させられてしまった。
今から思えば、女性が、高垣楓がああまでして俺を誘ってきたことに、何かしら感じてもよかったかもしれない。
しかし、大人しそうに見えて自分の感性に正直な楓さんにちょっと振り回され気味なことに、俺は慣れ過ぎていた。
帰宅の準備を始めた俺を見る彼女の余りに明るい笑顔を見てしまって、裏を探ろうなんて思えなかったのだ。
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