1:名無しNIPPER[sage]
2017/01/18(水) 01:39:08.90 ID:KK8PDRWsO
100年くらい前に何かが起きて、人類社会は崩壊したらしい。
培養カプセルから私が排出されてから一ヶ月と少しの間で、調べられたのはたったそれだけだった。
カプセルの中で植え付けられた、崩壊前の常識や知識は余り役に立たない。
文明の象徴とも言われた高層建築群は軒並み瓦礫の山と化し、かつては先端の光る目玉で人々を見下ろしていたはずの塔は、今や私の足下に無惨に横たわり、這い上がってきた植物に覆われた様を見下ろされている。
上空ではカラスのような鳥(私の知識にあるカラスはあんなに大きくない)が群を為して飛び、頭だけ恐竜に退化したような更に大きな鳥(?)がその群に飛び込んでいった。
人、鳥、それらを内包する生態系、それを支えるこの大地、何もかもが私の知識のそれと違う。
「こんな耳の生えた人間なんて、私の中の知識にはなかったし」
頭から生えたキツネのような自分の耳を触りながら、私は新たな瓦礫へと視線を移す。
今では遺跡と呼ばれる事の方が多いかつての都市、そこから有用な物を探し出し、生き残った者達の生活に役立てるのが私の仕事。
何の為に生み出されたのかは知らないが、今の私はキツネ耳のスカベンジャーなのだ。
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