328: ◆x.53aZIM6g[ saga]
2017/04/01(土) 18:31:35.74 ID:9ix3igxIO
もう、いっそ我を忘れて泣き叫びたい……そう思った。
確かに涙は出てくる……だけど、だけど。
そんなことをして何になるの?
そんなことをしたら、身を挺して私を救おうとしてくれる緑谷君がどんな目に遭うか。
私が従わなかった時点で、彼はきっと怪我をするだろう。
もう、一つしか答えはない。
最悪……ではない。
だって、彼を救える、
私自身が恥をかいて、悪魔のような男……海藤が、さらに深みに落ちることになっても。
私が助かって、緑谷君が暴力を受け、海藤が罪を重ねる。
それよりは、まし。
そう、ましなの。
最悪だけは避けられる。
見捨てることだけは絶対にできない……絶対。
私の手から、赤いバッグが落ちた。どさり、と無機質な音がした。
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