343: ◆x.53aZIM6g[ saga]
2017/04/01(土) 21:57:02.39 ID:rOMuCx8jO
「おい、腕を上げる時に足も上げろ! 四股みてえに高くな!」
「そんな!」
「そうでなきゃ裸踊りとは言えねえんだよ! あとな、笑えよ! それに掛け声だ! 忘れてんじゃねえぞ!」
「あ、あああ……はい」
「せ、先輩……」
「は、はいっ、はいっ、はいっ、はい!」
手を上げ脚を上げ……バランスが崩れる!
胸に腕が当たってしまう! タイミングがずれる!
声を上げると、みっともないけどタイミングが直る。
こんなことで少しでも喜んでしまうなんてわたしのばか!
ああ、あああ。
笑っているのよね。海藤に文句も言われない。だからたぶん、笑っている。
自らの意に反して、楽しいとき、うれしいときにする筈の顔を作っている。
それがどれだけ悲しいことか。
時間がたつにつれ、嘘でしょ、嘘でしょう? 私の頭の中でその一文が駆け巡る。
涙なのか汗なのか、胸やお腹や、腕やつま先に、雫が垂れる。
ぐるぐるとすべてが回っている。すごく速く。
右に回って左に回って、ああ。ああ。
391Res/190.38 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20