74: ◆x.53aZIM6g[ saga]
2017/03/01(水) 17:38:55.47 ID:t92fRfpFO
より最悪な後悔を抱え込むことになった。
濡れたズボンを乾かすことさえせず、もう哀れな自分を苛みつつ、ぼくは下へ降り、廊下へ出た。
脚を不格好に開き、ああ、ああ、と歩き進む。たぶん家に帰るんだと思う。
たまに運動部の騒ぐ声が聞こえてくる。
勇気や高村先輩は今頃サッカーをがんばっているのかな、と思うと余計に情けない。
彼らが男らしく運動している時に、ぼくは情けなくひとりで恥ずかしいことをしていたんだと思うと。
ああ、ああ。
「……緑谷君? どうしたんですか?」
え
今、一番逢いたくない人の声だった。
「平瀬……先輩」
振り返ったそこに、先輩が。ぼくの好きな人。
平瀬恋先輩が、そこにいたんだ。
ああああああ、そんな声が小さく漏れてくる。
そのままゆっくり、全身で振り返る。しまった。
「緑谷君……それ」
見てはいけない物を見てしまったような表情。目を見開いて、口元を片手で覆い、ぎゅっと左手で持っているカバンを握りしめる手。
ぼくの、なさけなさすぎる濡れたズボンを見られてしまったんだ。
思考安価……
弘 >>75
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