勇者「幼馴染がすごくウザい件」
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10:名無しNIPPER[sage]
2017/03/14(火) 12:34:24.84 ID:ngic1vLj0
- 4日後 王都 -

ミルー村の遥か十里の彼方。
東西南北の中心地にあるバンドギア城が構える王都。その商店街で俺は彷徨っていた。

商人A「さぁーやすいよやすいよ! 今日は精霊神様が降臨なさるお祝いだぁっ!」
街娘「あら? これもいいわね」

ガヤガヤ

カケル「(くっそー、こんな時に限って1人になるなんて……ていうか、迷子じゃん! 俺)」

人の波に押され、着ていたマントを脱ぎ肩にかけ、ズボンのポケットに入ったままの懐中時計を取り出して、鏡面にある数字を見る。
――時刻は午後三時三十八分。

カケル「(はぁ、このままじゃ帰りの馬車に間に合わない。ミラはどこにいるんだろう……)」

細い目で辺りを見ると、いつのまにこんなに近くに来ていたのか、先ほどは米粒大だった女の子が俺のの眼前に立っていた。
知性を感じさせる女性ーー。
まだ幼さの残る顔立ちには、綺麗というよりも可愛らしさを感じるものの、まつ毛が長く、目には意志的な光を感じる。
あと、数年すれば、かなりの美人になるだろう。
女性の視線を追うと彼女は、真剣なまなざしで、俺の顔を見つめていた。

カケル「(なんだ、この子?)」

観察されているのは明らかである。まっすぐと見つめらどうにも居心地がよくなくて頭をポリポリと掻いていると、赤い色の入った眼鏡を指で直しながら女の子は口を開いた。

○○「……私、ベニ」
カケル「うん?」
ベニ「勇者の選定なら、あっち」

ここでなんと言うべきか、俺の心は、揺れていた。咄嗟の事態にうまく頭がまわらない。
あ、そうだ。この子に道を聞けばいいんじゃないか?

カケル「あの……」
ベニ「……?」

ええい、忌々しい口め。道を聞くことすらまともにできんのか。
考えてみたら、言語が通じるのはいいが、どうやって馴染むというのか。いや、馴染む必要なんか、ないんだ。馬車乗り場までの道を聞ければ……」

ベニ「連れていってあげる」

必死に言い出そうと、口を開きかけた状態で手をひかれる。茫然として、開いた口がふさがらないまま、否定することができない……いや、否定しろよ。

カケル「あ、あのっ」

俺のバツが悪そうにしている表情を見て、女の子は申し訳ないと思っていると勘違いしているらしく……

ベニ「気にしなくていい」

と、にこやかに笑みを返していた。


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