34: ◆y7//w4A.QY[saga]
2017/03/19(日) 23:38:28.20 ID:lkUUS0li0
フラン「ユミル姫様、なぜこのような危ない真似をされたのですか」
ユミル「ボクの勝手でしょ! お見合いなんて……⁉︎」
続きを喋ることは許されなかった。
その代わり、ぱしん、という音がユミルと呼ばれた女の子の頬を叩く音が響いた。
ジョル「まぁ、姫様もまだ若いからの。それぐらいにしてやれ」
フラン「――ふぅ、国賓という立場をわかっていらっしゃらないですね。あなたに何かあれば、私達との国との戦争になるんですよ」
ユミル「その国賓に手をあげるなんてどういうつもりよ……っ!」
フラン「オイタをした子には罰が必要です」
ユミル「子供扱いするつもり⁉︎ あんまり歳変わらないでしょ⁉︎」
ユミルのおさまりきらない怒りを前にしてもフランに怯む様子はない。
それどころか一刀両断とばかりに毅然とした態度で――
フラン「歳は関係ありません。大事なのは品性と教養です」
と、切り捨てるように言った。
また知らない人が出てきた。もううんざりだ。
肩から下げている鞄をその場に下ろして椅子がわりにして腰を落ち着けるとやりとりが終わるのを待った。
ユミル「とにかく、ボクは嫌だ。城には帰らない」
フラン「嫌と言っても連れて帰ります」
ユミル「い・や・だ!」
そっぽを向いて話をする気はないと意思表示している。フランはゆっくりと息を吐いた。だが、引く気はないらしく、きつく睨んでいる。
その後ろでカルアがビクビクと隠れるように様子を伺っている。
……はぁ。これじゃラチがあかないんじゃないのか。
暇なので、改めてここにいる面子を見回してみる。ミラで可愛い子には耐性があるが、なんとも豪勢な顔ぶれだ。
なにしろ、全員美少女と言っても差し支えない。
村一番の美少女なミラをはじめとして、表情に乏しいが知的系のベニ。西洋人形のような容姿をしたフランとカルア。
そしてこのユミルという子も帽子をはずした姿は美少女だった。
今は怒っているから目がつり上がっているいるが、鼻筋はすっと通っており、パーツそのものがどれも整っており美しい。
村の男達が見たらさぞ羨ましがることだろう。
だが、俺はたいして興味はない。自分には関係ないと思っているからだ。
フラン「ユミル姫、いい加減にしてください」
フランから冷たい声が飛んだ。それに対しユミルはふん、と鼻を鳴らす。
あきらかに険悪な雰囲気である。
ミラ「……あの人って、隣国のお姫様だよ」
聞いてもいないことを耳打ちされて情報を得た。
なるほどね、だから姫様と呼ばれているわけか。
ミラ「なんだか、実感わかないね」
たしかに、それはミラの言う通りだった。元々、この国の王様やお姫様でさえ田舎暮らしの俺たちには縁もなければ姿を見たことすらない。
理屈では偉い人というのはわかる。
だが、それが隣国にまでなると「へぇ、そんなんだ」ぐらいの感想しか湧かないんだ。
98Res/121.89 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20