勇者「幼馴染がすごくウザい件」
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41: ◆y7//w4A.QY[saga]
2017/03/20(月) 16:19:02.16 ID:kPcLir3I0
――十七年前、バンドギア王国に隣接するゴダイク王国にてユミルは生を受けた。
第一子として生まれたまではいい。
しかし、次の世継ぎ、すなわち男子が生まれない状況にゴダイク王はひどく悩み、焦っていた。
王の加齢が進み、女に子種を宿すのが難しくなる前に家臣たちは揃って「側室を」をと進言した。

色欲に溺れる性格ではなかったし、王妃を心から愛していた。だが、国の未来を左右する問題だと認識の末、側室を娶ると王は選んだ。
栄養管理から睡眠時間、挙げ句の果てには祈祷師を頼り徹底した子作りの環境が作られた。
以来、王の寝室には日替わりで女が入れ替わり立ち代わりはいっていく。
このままだと王は種無し、王妃は男子を産めない疫病神だと老臣たちに重圧をかけられる。

誰もが正統な王位継承者である男子の誕生を待ち望んだ。

ゴダイク王「なんと、なんと虚しい行為であろうか」

愛のカケラのない身体を重ねるだけの行為に王は身を粉にして没頭した。
やまない雨はないと、いつか雲は晴れ、道の先に幸せが待っていると信じて。

――それから、幾年もたちユミルが13になった時に王の身体に異変が起こった。

ゴダイク王「ごほっごほっ……こ、これは……」

口を抑えた手が、真っ赤に染まっていたのだ。
直後、胸に痛みを訴え王は病に伏せた。国中が不安に満ち溢れた。
世継ぎもまだいない状態で国王不在になったのだから当然だ。
家臣達は民の不安を埋める為にだした策は王女とユミルを矢面に出すことだった。

家臣「ゴダイクの民たちよ、聞け! 案ずることはない! 我らには王女様とユミル姫様がおられる!」

王女とユミルは民達の前で演説を行わされた。
しかし、老臣達はこれだけでは解決策にはならないとは理解している。
あくまで民を落ち着かせる為の場しのぎの処置である。
――根本的に抱える問題は、直系の男子が生まれないこと。
これが解決しない限り、新しい打開案を用意する必要がある。
もし、王の状態が回復しないのであれば、待つだけでは望みは叶わない。
家臣達が集まる連日の議会は荒れに荒れた。
ユミルを王にと言う意見もでたが、女が国王(女帝)になるなど過去例がないと反対派が多数いた。
数による内部分裂が勃発し、ゴダイク王国の政治が乱れはじめた。
次第に、ユミルを王にするか、友好国であるバンドギア王国の王族と婚姻を結ばせより強固な関係にするかで意見は真っ二つに割れた。

ユミルが17歳になった現在も意見は割れている。
しかし、保険はかけておくべきだと主張する家臣達の建て前で、こうしてお見合いの席にユミルははるばるバンドギア王国を訪れていたのだった。


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