49: ◆y7//w4A.QY[sage]
2017/03/21(火) 01:06:05.60 ID:xkDY8utw0
カルア「それだけじゃありません。カケル様の精霊は……」
ベニ「うん。カケルの精霊は格が違う。私達が力を借りる精霊にも属性と品格がある。属性については前に説明した四大元素だけど、カケルのは、私達から見ても、はっきり言ってこわい」
と、言われてもなあ。背後霊がついているとかそういう感覚としか思えないんだが?
俺からすれば、なーんにも現実味なんか沸いてこない。隣国の姫様と同じ、あっそ、の3文字で終わる内容だ。
俺はこれまで魔法を使おうと思ったことがないわけではない。落ちこぼれ認定されるまではそれなりに努力をしていたつもりだったし、それでも使えた試しがないほど才能がないのだから諦めた。
そんな俺の今の将来設計は、村人Bと結婚して幸せな家庭を築くことである。間違ってもお前らのようなやつとつるむことではない。
ベニ「あなたは人が持ちうるリーサルウェポンと言っていい。勇者だから持ちうる力なんだろうけど、勇者で本当によかった」
安堵した表情で、にこり、とベニが俺に微笑んだ。
カルア「わ、私も、優しそうな人でよかったと思います」
ベニ「サポートはできる限りさせてもらう、なんでも言って頼ってほしい」
んぐ、んぐ、んぐ、がつん! と、テーブルにあった水を注いだグラスを煽り、ヒビが入りそうなほど音が響く。ミラが握り拳を作り肩を震わせていた。
ミラ「わ、私も! 師匠までとはいかないけど、ずっと新しい魔法見せてきたでしょ⁉︎」
おい、ちょっと待てコラ。おま、毎回俺に生傷をつけてた実験台のような行為は、まさか。
ミラの視線が一点にとどまっていることに気がつく。
辿ると、先には俺の手があった。――試しに手のひらを上げてみる。すると、ミラの視線もあがった。
手を左右に振ってみる。すると、ミラの視線も左右に揺れる。
なにこいつ、キショイ。
ミラ「か、カケル。私を置いていなくならないよね?」
と、聞く以前に既に俺の両手首は捕まれていた。電光石火の早業である。おい、俺が勇者ならこうはならないんでない?
逃げられないんですけど?
ミラ「カケルが勇者だって、私の魔法でこことか、ここも。この傷はまだ新しい……。あ、この前の魔法でできたやつよね。私もカケルの力になれるよね?」
ひいいいい。なんだよこいつは。
ぽつぽつとミラの口から古傷の列挙がはじまっていた。魔法以前にミラには身体能力でも敵わないので、この状況には耐えるしかない。
ベニとカルアに助けてという視線を送るが2人は一方的とも言えるやりとりを見守っていた。ふざけんな。
――瞬間、手首を引かれ、身体ごとミラに引き寄せられ抱きつかれる。さながらブラックホールに吸い込まれている気分だ。
ミラ「カケル……」
や、やめろ。熱の籠った瞳をむけるな。潤ませるな。
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