勇者「幼馴染がすごくウザい件」
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57: ◆y7//w4A.QY[saga]
2017/03/22(水) 23:31:37.72 ID:hzBy34Hj0
ベニの疑惑に王は沈黙をもって応えた。
いや、応えたというよりは、今までとは態度が一変し、糸の切れた操り人形のように、玉座でガックリとうなだれた。
かなりホラーな現象だった。
なにが起こっているのか理解できず、目を白黒とさせていると、隣から凄まじい風、まるで台風を思わせる暴風が吹き荒れ、俺はその場に踏ん張った。

カルア「貴様、王様になにをしやがったコラァ!」

驚いて見れば、カルアがこれまでにない乱暴な口調で喋っていたので思わず二度見してしまった。

ベニ「あ、まずい。カルアのスイッチが入ってる。防壁張るからカケル、私の後ろに」

な、なにそれぇ。あの子も面白人間ってこと?

トモエ「そよ風ね……」
カルア「――上等だ! 後悔しても遅ぇぞ! 精霊よ、吹き荒れろっ!」

風が幾多ものカマイタチになってありえない速度で放たれていた。大理石でできた床を爪で抉る痕な跡をつけ、ベニが展開した魔法陣にも切り傷をつけている。
まともに受ければ、コマ切れ肉の出来上がりではなかろうか。背筋に嫌な汗が流れる。
しかし、そのような状況にも、トモエは、余裕の笑みを浮かべ、右手を構えるだけで打ち消している。

カルア「うぁあぁあああっ!!」

凄まじい雄叫びが大気を振動させる。
眉間にシワをよせ、憤怒の表情を浮かべたカルアのまわりにさらに風が集まる。心底から血が滾っているらしく、ギラギラと輝いていた。
その有り様は、アドレナリンを分泌し、バカにされたと明らかなムカつきを表していた。

――キィィィン――

耳鳴りの音がする。
台風では、ない。カルアを中心に竜巻が発生しようとしていた。
足元の地面には、ボコン! と爆弾でも爆発したかのようにクレーターができあがった。

ミラ「く、凄い」

一連の攻防を見ていたミラがぽつり、と呟く。自分とのレベルの違いを見せつけられて悔しそうだ。安心しろ、俺から見たらお前も充分危険だ。

ベニ「もう少し、さがる。カルア、本気出す気みたい」

ちょっと待って。これまだ本気じゃないの?
なんだか謁見の間がすでにボロボロになりはじめてるんだけど? というかこんな惨状に他の兵はなにやってんの?
俺の胸の中はいきなりはじまった戦闘に不安しかなかった。恐慌状態である。
――疑問も虚しく、グルグルと天に向けて杖を振り回し、カルアがトモエに向けて叫ぶ。

カルア「風と共に塵と消えよ!! グランドクロスッ!!!」


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