勇者「幼馴染がすごくウザい件」
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63: ◆y7//w4A.QY[sage]
2017/03/23(木) 14:44:37.42 ID:7IE/7chP0
俺は思った。
これは、一体、なんの冗談だろうと。
頬をつねる。
やはり、夢ではない。
このままでは、間違いなく、カルアは死んでしまうだろう。

産毛が逆立つのを感じる。もし、あのトモエという女の敵意が自分に向けられたら、一瞬で俺は死ぬ。そんなのはわかりきってる。誰だって死ぬのはこわい。最後には自分がかわいいものだ。
偽善者であれば、ここで自分の命を投げ捨てでも助けようとするのかもしれない。
だが、俺は現実をよく見てるし、どうせ俺が殺されたら他のやつも殺される。順番が後か先かの違いでしかない。きっとこいつは、誰も生かすつもりなんかない。国そのものを滅ぼそうとしにきたのだと否応なしにわかる。

カケル「(くっそ、童貞のまま死ぬのか……)」

開き直ってみれば、心に安定が訪れた。こんなことなら村人Bちゃんに告白しておくべきだった。どうせ落ちこぼれの俺は振られてたんだろうけど。

カケル「もういいだろ」

俺の発した言葉にピタリと漆黒の手を止める。
さっさとトドメをさしてやれ。そんなにいたぶらなくてもいいじゃないか。そう俺は思っていたのに、ミラが余計な口を挟んでくる。

ミラ「ダメ! 敵わないよ!」

アホか。敵うわけないのは俺が一番よくわかっとるわい。

ベニ「洗礼がまだ、終わってない」

何度目かわからないが、どうしてこうも俺の考えとは真逆にこいつらは捉えるんだ。俺が立ち向かう気まんまんに見えているらしい。自分達に都合の良いフィルターで判断しすぎだろ。

トモエ「さすがは勇者、といった所かしらね」

お前もかい。

トモエ「うっふふ、あなたは最後のデザートよ。魔王さまは勇者の覚醒を望んでおられるけど、私はそれを望んではいない」
ミラ「魔王さまって……やっぱり……こいつ」
トモエ「今さらとは愚かなるヒトよ。私は魔王さまに仕える四天王のひとり、サキュバスの王。トモエだ」
ベニ「な、なんてこと」

魔王とか勇者とかどうでもいい。どうせ俺はここで死ぬんだ。その場にあぐらをかいて座る。

トモエ「私の瞳を見なさい?」

もうさ、付き合いきれないんだよね。勝手に盛り上がって巻きこまれるこっちの身を考えたことある? いいや、ないね。弱者の都合を強者は考えない。だって感覚がわからないから。
考えたとしても上から目線で助けてやってるとかそういうもんだろう。うーん、なんかこれまでの人生の怒りが湧きだしたぞ。

ベニ「うっ……」
ミラ「な、なにこれ……」

自分についてふけっていると、突然、ベニとミラが困ったように内股を擦り合わせて頬を高翌揚させていた。

トモエ「勇者、お前も見るのよ」

言われるがままに、瞳を見る。紫のかすみがかった色をしているが、別になんてことはない。その中に俺がはっきりと映っていた。

トモエ「え? ちょ、ちょっと。ちゃんと見てる?」
カケル「(見てるだろうが!)」
トモエ「そんな、まさか、効いてない?」

狼狽えるトモエを前に、首をかしげる。俺に駆け寄ってくると両頬をむにゅっと挟まれ、今度は覗きこむように見つめ合った。

トモエ「性欲高まってきた……?」

おずおずと、まるで普通の女の子のように聞いてくる。いい匂いがするから刺激的ではあるが、それだけだった。

トモエ「あ、ありえない。こんなのサキュバスの王としてのプライド、いえ、沽券にかかわる問題よ!」


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