10: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2017/05/07(日) 01:10:50.23 ID:upUN87ha0
「……うーん」
物が無造作に置かれた自分の部屋とこの部屋とを比べてみると、自身が年上なのが何故か申し訳ないような気がした。
「さあさあ、座ってくださいっ」
そんなことを沙紀が思っていることを知ってか知らずか響子は部屋に招き入れる。既に準備をしていたのかティーカップやら綺麗なお菓子がテーブルに用意されている。そして沙紀は響子に促されるまま座布団に腰を下ろす。
「桃華ちゃんから美味しい紅茶頂いたんです!ストレートとミルクどっちが好きですか?」
「うーん、今日はミルクティーな気分っすかねぇ」
「はーい。じゃあ、少し蒸らしますね」
響子はガラス製のティーポットに茶葉とお湯を入れるとタイマーを起動する。
「本格的っすね……」
「前にちょっとだけ勉強する機会があったので……美味しく淹れますから期待していてくださいね」
ティーカップの中で茶葉が舞っている。沙紀はそれを物珍し気に見ていると響子が声をかける。
「あの、隣座ってもいいですか?」
「え?そりゃ全然構わないっすけど」
というより響子ちゃんの部屋だから好きにしていいんすよ?と沙紀が言うと
「えへへ……」
と彼女は小さくはにかみながらゆっくりと沙紀の隣に腰を下ろした。
(いくらごっこだからと言っても妙に距離が近いような……)
少なからず沙紀は響子に好感を抱いていることに間違いはない。ただ、響子から見た沙紀との関係はお互い切磋琢磨しあえる仲というか、フォローしつつされつつの様なそんな風に思っているんだろうなと思っていた。
はずだったのだが。
(アタシがなんでこんなに緊張してるんすかねぇ)
まだそういう風に自己分析できる分には幾分か冷静ではある。しかし、軽く寄り添うように座ってきたせいか、彼女の柔らかさやほのかに香る良い匂いに虜になりかかっているのは間違いなかった。
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