【オリジナル】「治療完了、目をさますよ」2【長編小説】
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8:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/20(土) 15:23:41.91 ID:wWVynNsm0


汀は弱々しく呻いて目を開いた。
辺りは薄暗く。部屋の窓にかかったカーテンから、夕焼けの赤い光が漏れている。
ここはどこだろう……そう思った汀の目に、隣に置かれた椅子に腰掛け、腕組みをしてコクリコクリと頭を揺らしている大河内の姿が映った。
大河内せんせ、と声を上げようとして汀は喉に挿入されたカテーテルにえづき、そのまま猛烈な嘔吐感に、その場で硬直して呻いた。
彼女の呻き声に気づき、大河内が目を開けて慌てて脇の計器を見る。

「汀ちゃん、目が覚めたのか? 今カテーテルを抜いてもらうからな。もうちょっとの辛抱だ」

耳元でそう言われ、汀は痛みと混乱でボロボロと涙を零しながら、必死に点滴が無数に刺された手を伸ばし、大河内の服を掴んだ。
大河内はその手を握り返し、壁のインターホンのボタンを押して口を開いた。

「高畑君の目が覚めた。至急、治療班を回してください」


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