かなふみ全然わからんがかなふみこんな感じだったらいいなと妄想したアイドル百合SS
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33: ◆2DegdJBwqI[saga]
2017/07/05(水) 19:28:23.89 ID:XzPdPQh6o

 曲が間奏に差し掛かった。彼女がマイクから手を離す。
それに合わせて天井のスポットライトが一部色を変えて、彼女の周囲を青く円形に切り取る。
さながら凍り付いた池。もしくは水たまり。彼女は優雅に両腕を広げる。
彼女の均整のとれた痩身の美しさを強調する銀色のドレス。
ドレスの襟元から、透き通った白い肌、容易く手折れそうなほど華奢な首と肩が覗く。
それを彩る間奏の音の粒。音の雨。私は、開かれた一本の傘を連想する。

 彼女の靴のつま先が、青く染められた床を二回、三回と叩いた。
 同時に会場で巨大な音が炸裂した。演出だ。タイミングが重なっているだけの、ただの効果音だ。
頭ではそう理解する。それでも私は、頭ではなく心臓で、こう感じてしまう。

 ――彼女の硬い土踏まずが「世界」とぶつかる音が聞こえた。

 ドレス姿の彼女が腕を広げたままくるりと回った。バレエを参考にした振付け。傘が回る。
 得体のしれない感情がこみ上げてくる。
 それは、小説のなかでしか、私には見つけられないはずの感情だった。
 通り雨に降られたドラマ撮影の待ち時間。
傘を差して、水たまりを蹴り、私に笑いかけ、近づいてきて、私に「――あなた、面白いアイドルね」と囁いた彼女。
 あのときと同じだ。

 ――違う。
 ――同じではない。



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