ブルー「俺達は…」ルージュ「2人で1人、だよねっ!」『サガフロ IF】
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881:名無しNIPPER[saga]
2022/04/21(木) 22:01:06.15 ID:UqNaO6N30
【双子が旅立って11日目 午後 16時04分 [スクラップ:シップ発着場]】


 蒼い法衣が一陣の熱風に煽られる、随分と年季の入ったタラップ階段は一段踏みしめる度に悲鳴を上げていた。

 年中湿度のある犯罪都市とは別の意味で無法が横行する街だとは事前に同行している拝金主義の女から聞いていた
自然光が殆ど届かず、全体降水量が銀河を見通してもトップクラスでその癖そんな街でありながら活気に溢れていた土地と
比例すると此処は対極的な場所だな、という印象を蒼き魔術師は抱いた


 四つ足で大地に根を下ろす――宛ら昆虫の様な見た目の――ガベージシップを背に夕陽の恵みが寂れた町を照らしていた
魔術師の法衣や露出した素肌に吹き抜けていく風は熱く、水分を全くと言っていい程に含まない


 陽は沈みだした時間帯だというのに、じわじわと焼いていくような熱に来て早々ブルーは喉の乾きを覚え始めた。




  ブルー「なるほど、無職が前に言っていた様にこの街なら唯一の酒場が儲かるのも頷けるというワケか」

 リュート「だろぉ〜?クソあちぃ日に屋根のあるトコで飲むキンキンに冷えたビールが超うめぇんだ」



  ブルー「…もう何で無関係の貴様が一々俺達に同行してるかは突っ込まんぞ」

 リュート「えぇーっ、今日もブルー冷たくね!?名前だけに! 俺とお前の仲だろぉ〜?面白そうだからついてくぜ!」
 スライム「(;´・ω・)ぶくぶくー」



 聞いてもいないのに勝手に「面白そうだから着いて来た」と口を開く弦楽器を背負った無職と暑さで表面から汗(?)が
滲み出て参っているモンスター等にツッコむ気力も無くなってきた術士は眼界に広がる街へと歩みを進めたかった
 彼らと違って比較的に温室育ちが故に口の中がパサつく感じが好かぬ彼はグラス一杯の水を求めているのであった

 軋むタラップ階段を降り切り、火成岩に似た硬質な大地に靴底が触れて砂利を踏み鳴らす
降り切る前のまだ高い位置に居た頃はそこまで気にならなかったが低所に来るとより突風に砂塵が混じっている事に気づく


 シップ乗りの女「ようこそ、砂と鉄と金そして酒の楽園へ、帰りたくなったら言いなよ」

 シップ乗りの女「[クーロン]までのシップドライブを始めたんだ、誰でも100クレジットさ」


    ブルー「来るのは無料でこの土地から出て行くのには代金を取るだと?寝言は寝て言え」


 シップ乗りの女「この町のルールさ、クレジット持ってる奴は正義で貧乏人は干からびて朽ちるだけだ」


 100クレジットすら持っていないってんならお情けで有り金全部で特別に乗せてやるよ、とケラケラ嗤う女を見て
蒼き魔術師はこの町の評価をもう一段階下げる事にした、評価1つ星からマイナス1つ星にクラスチェンジである

 [金塊]を用いたビジネスで資産には困っていないがこんな奴にはビタ一文払ってやりたくない、帰りは自身の術を使って
雨が降りしきる暗黒街まで帰ってやろうと心に決めた所で彼は先導する黄金色の髪に向かって声を掛けた


  ブルー「アニー、クーン達との合流地点は何処だ…あまりこの日差しの中で外をうろつきたく無いんだが」

  アニー「だらしないわねぇ〜、あんたも男でしょ?心配しなくても[酒場]で先に待ってるわよ」


 そう言いつつ彼女も汗を滲ませているのを術士は見逃さなかった
西日で過ごしやすい時間帯とは言え[スクラップ]の日差しは外部から来た人間には堪える
 日中だと地元民ですら熱中症で倒れる事がある熱砂の街だ、それゆえかこの土地は"人間<ヒューマン>"よりも
比較的に暑さに強いモンスターやメカが住んでいて、観光客相手に宿や飲食店を営み日々の生活の糧を得ている


 こんな辺鄙な土地にやってきた理由は一つ、いよいよ以て[ディスペア]潜入の為の最後の準備道具を受け取りに来たのだ
厳重な監視と最先端セキュリティの装置だらけの刑務所だからこそ清掃員の道具もそれ相応の特殊な物を使う
 変装して潜り込むにも入念な下準備と本格的な偽装が必要になるのである

 そして何の因果か、ルーンの石を求めていたブルーと"指輪"を求めていたクーン一行の目的地が一致した為、彼らの分も
受注して此処で合流した彼らと共にそれを受け取る手筈となった


  リュート「皆で一緒に行けりゃあ良かったんだけどなぁ〜」

   アニー「仕方ないわよ、定期便の席が空いてなかったんだし向こうには先に行ってもらうしかなかったのよ」


 こっちは誰かさんに剣術を指南しなきゃいけないからどうあっても後発の船に乗るしかなかったものねぇ、と
黄金色の髪の女が蜂蜜色の髪に視線を向けながら言ってくる、術士はしかめっ面で酒場に向かって歩いた



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