291:名無しNIPPER[saga]
2018/04/17(火) 18:23:15.30 ID:TKxEcWkT0
作業場に戻る車中、車の振動が心地よく急に眠気が襲ってきたので何か喋ろうと口を開いた。
男「さっき言ってたアライちゃんの使い道って…またカメ君(性別が判らないのでとりあえず君をつけた)の餌にでも?」
おじさん「それもいいですが冷凍アライちゃんが貯まっていて、そっちを消費しないといけませんからねえ。何か別の事に使おうかと」
冷凍アライちゃん……冷凍マウスみたいなノリで言われてもな。あのマヌケ面がカチコチになっているのを想像したら少し可笑しくて、
男「今更言うのもなんですが、アライさんみたいな得体の知れないものを食べさせて大丈夫なんですかね」
おじさん「言いたい事は解ります。毒かもしれないものをペットに食べさせるとはなんて酷い飼い主だ、という事でしょう?」
男「いえ、そこまでは…」
眠気が覚めた。
おじさん「ハハハ、冗談ですよ。ところでアライさんが野に放たれてから十年…いや十一年程経ちましたが、野生のアライさんの研究は存外進んでいませんね」
?…なぜ急にそんな話題を振ってきたのか。
男「そうなんですか?あんな不思議な生き物を研究しないのは不自然だと思いますが」
おじさん「研究者さん達はフレンズにご執心で、野生のアライさんには大して興味が無いんですよ」
男「あんなに農業被害を出しているのに?研究して対策するべきでは?」
おじさん「主に農業被害しか出してないからじゃないですかね。この言い方だと少し語弊がありますけれども。ああ、あなたは空き巣の被害に遭われてたんでしたね。
それはともかくアライさんは人間から危害を加えたり、なんらかの理由で勘違い…例えばアライさんの持ち物が人間に盗られたとか勘違いでもしない限り、
アライさんの方から襲ってくる事はあまりありません。そのせいでそこまで危険視されていないんですよ。もちろん凶暴化したアライさんは危険であり
傷害事件が起きたケースもいくつかありましたが、それは野犬等にも言える事なのでアライさんだけ特別視する者は数年前までは少なかったですね」
言われてみれば男も実際に被害を受けるまでは「何か良く知らないが迷惑で嫌われ者の動物」といった程度の認識しかなかった。
おじさん「とはいえ農業被害も当事者にとっては死活問題ですから一応国や自治体により研究対策は進められていますが、人員と予算が足りていないのが現状です。
それに加え他にも害獣はいますから、アライさんにばかりかかりっきりという訳にいかないのも対策が遅れた要因でしょう」
男「どうしてそんな話を?」
おじさん「そういった状況でしたので、四年前に私なりにアライさんの事を調べる事にしたんです。まず最初は昆虫にアライちゃんを食べさせてみました」
そういう事か。昆虫やおそらくその他の動物達…ネズミみたいな小動物だろう…に食べさせて安全性はとっくに確認してある。だからペットのカメに食べさせるのは問題ない。
そう言いたいのだ。
男「ええ…もう大体わかりました」
おじさん「理解いただけた様でうれしいです。アライさん達が捕食されるのは私達の知らない自然界ではもはや当たり前の様に起こっている事ですし、
今後その影響も研究されていくのでしょうね。私としては一刻も早くアライさん達に消えて欲しいですが」
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