292:名無しNIPPER[saga]
2018/04/17(火) 18:24:09.28 ID:TKxEcWkT0
その後作業場に着いて車から降りると、おじさんはアライちゃんを袋から出してやった。
アライちゃん「ふきゃっ。くらいところからきゅうにでたからまぶしいのだぁ…」
アライちゃんは目が慣れるまでは余り動こうとせず、四つん這いの姿勢のまま目をパチパチさせたり手でこすったりしている。
こんな場所に出してもう処分するのかと思っていたら、おじさんはアライちゃんを掴み上げて地面に叩きつけた。
アライちゃん「のだっ……きゅう〜〜……」
殺すのではなく、気を失わせるかぐったりさせるのが目的だったのか。
おじさん「すみませんが、そこにある脚立を持って付いて来てくれませんか」
おじさんは車からロープを出しながら作業場の入り口の方を指差して言った。男は返事をして脚立を取ってきておじさんの後に続いた。おじさんに首根っこを掴まれた
アライちゃんの口はだらしなく開き、よだれがブラーンと糸を引きながら垂れている。林道の脇に生えていたとある樹の前まで来ると、
おじさん「ここに脚立を立ててもらっていいですか」
男が言われた通りにすると、おじさんはアライちゃんとロープを持ったまま軽い身のこなしで脚立を上っていき、地上から二メートル位の所で幹から分かれていた
枝の根元付近にアライちゃんを手際よく縛りつけた。
おじさん「後はここにカメラをセットしておけば稀に面白いものが撮れるんですよ」
男「はあ」
おじさん「とりあえず作業はこれで終わりですかね。お疲れ様です、本当に助かりましたよ」
男「こちらこそアライさんについて色々知れたので来て良かったです」
おじさん「ところでこの後何か予定はありますか?」
男「特にありませんが」
おじさん「それなら少し話したい事があるんですが…もうお昼ですし、とりあえず何か食べながら話しましょう」
風が少なく日差しも出てきたので、外にテーブルとイスを出して食べる事になった。持参したおにぎりと菓子パンといった味気の無い物ではあったが、
自然に囲まれているのとおじさんが湯を沸かして淹れてくれたお茶のおかげで幾分おいしく感じられた。
男「話というのは何ですか?」
おじさん「カトウさんは自宅でアライさんで楽しまれているのでしたよね」
男「ええまあ…」
おじさん「失礼ですが、不便な事もあるのでは?」
男「そうですねえ。確かに火は使えないので不便と言えばそうですが、元々大掛かりな事をする気はありませんし、そこまで不満は無いです」
おじさん「でも出来ればやってみたいとはお思いで?」
男「それはまあ…多少は」
おじさん「そこでなんですが、ここの近くに昔動物を飼育するのに使っていた場所があるんですよ。あなたさえ良ければ使ってもらっても構わないのですが」
そういや初めて会った時に色々生き物を飼ってたって言ってたな。爬虫類がなんとか…。
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