男「アライさん虐待トーナメント?」
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293:名無しNIPPER[saga]
2018/04/17(火) 18:25:44.19 ID:TKxEcWkT0
いい話だとは思うが、正直少し迷った。おじさんは目上の人間ではあるが、共通の趣味を持った知り合いといった間柄であるから借りを作ってしまうと
今後の付き合いがやりにくい。しかしおじさんも今日のお礼の意味でこの話を持ちかけてきたのだとしたら、彼の方も俺に借りを作りたく無かったという事で納得がいく。

男「今日のお礼という事ですか?」

おじさん「そう受け取ってもらっても構いません」

そういう事ならありがたく受けた方がお互いにスッキリするだろう。

男「わかりました。良ければ使わせて下さい」

おじさん「受けてくれますか。使わないでいると朽ちていく一方ですので助かりますよ。では早速案内します…とその前にアライちゃんの前にカメラをセットしておきましょう」

作業場からカメラを取ってきたおじさんに付いていくと、

アライちゃん「ひっ、ひとしゃん!めがしゃめたらアライしゃんがきにくっついてうごけないのだ!アライしゃんをたすけるのだあああ!!」

おじさん「しばらく何事も起きなかったらそのうち助けてあげるよ」

アライちゃん「アライしゃんになにかあったらどうするのだ!いますぐたすけるのだあ!アライしゃんのいうことをきくのだあー!!

しゃっきアライしゃんのかわいいしっぽをふんだのはゆるしてやるからあーーーっ!!」

なんかさっきよりも態度がでかくなってるな。自分の方が高い位置にいるから偉くなったとでも思っているのか?
カメラをセットし終えたおじさんが背を向けて戻ろうとすると、

アライちゃん「ひとしゃんーーーっ!いっちゃだめーーーっ!あっ、そっちのひとしゃんでもいいのだ!アライしゃんをたすけしゃせてあげるのだ!!」

この耳をつんざく声が響くと痛めつけてやりたい気持ちが湧いてくるが、成り行きに任せてみるのも面白そうだ。
アライちゃんの嘆願…いや命令を無視し、男とおじさんは各々の車に乗り込んだ。

―――――――――――――――

作業場から車で十五分位の場所にその建物はあった。トタン屋根の平屋といったおじさんの作業場とほぼ変わらない外観だが、しばらく放置されていたせいか壁は薄汚れている。
しかし建物の周りの雑草はきれいに刈り込まれており、最近手入れされたものである事がわかる。おじさんがドアの鍵を開けて入っていったので付いていった。

中も特にこれといった特徴は無く、壁際にいくつかのスチールラックと水槽が残っている他には何も無い部屋だった。

おじさん「電気と水道は通っているのでご自由にどうぞ。あんまり使われすぎると困ってしまいますがね」

男「気をつけますよ…といいますか光熱費は自分で払いますが」

おじさん「知り合い同士でお金のやり取りをするのは性に合わないので気にしないでいいですよ。では鍵を渡しておきますので後は好きに使って下さい」

男「ありがとうございます。それとさっきのアライちゃん、何か面白いものが撮れたら私にも見せてもらっていいですか?」

おじさん「それは勿論。何か撮れたらデータを送りますよ。では私は戻りますがカトウさんはどうします?」

男「私は少しここに残ってから帰ります」

おじさん「そうですか。では私はこれで失礼…またそのうち食事かなんかでも」

おじさんが車に乗って去るのを見送った後、男は建物に戻った。ここを使うのはどうしても家でやりにくい事をする時だけにしよう。
とりあえずイスと机だけは用意しておいた方がいいな。後は自宅に帰ってから必要な物をじっくり考える事にするか…しばらく楽しみが増えて仕事にも力が入れられそうだ。


続く


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