【悪魔のリドル】兎角「一線を越える、ということ」
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20:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:21:41.92 ID:u1xI7N2CO
 短慮な行動の代償は大きかった。

 翌日晴と柩は学校を休んだ。そもそも二人は昨晩自室にすら帰っていなかった。

 気付けば1号室に帰ってきていた兎角は一晩晴を待ったが帰ってこず、そのまま夜が明けた。やがて登校時間になったがそれでも晴は帰ってこなかった。
 どうしても晴に会わねばならなかった兎角は気は進まなかったが教室へと足を運んだ。しかし教室にも晴は、そして柩はいなかった。
 しばらくして目の下に深い隈を作った千足が教室に入ってきた。千足は誰かを探すかのように教室を見渡して、そして肩を落とした。

 やがて担任がやって来てホームルームが始まると開口一番今日晴と柩が体調不良で休む旨が伝えられた。
 兎角は驚き、失望もしたが安心もした。担任に欠席を伝えるくらいの落ち着きは取り戻しているということだ。近い内に晴とは会えるであろう。もしかしたら今ごろ部屋に戻ってベッドで寝ているのかもしれない。
 ならば後は裁判の時を待つだけだ。兎角は一種の悟りの心地でその時を待つことにした。

 しかしその時はなかなか訪れなかった。

 授業終了後、兎角は真っ先に自室に帰った。晴が帰ってきているかもしれなかったからだ。
 しかしその希望はすぐに砕かれる。部屋には誰もおらず、一度戻った形跡すら見られなかった。
 それでも兎角は今晩帰ってくるかもしれないと待った。
 しかしその期待もやはり砕かれ、そして翌日もまた晴と柩は授業を休んだ。

 二日目三日目と晴は帰ってこず、四日目は土曜日だったので朝から思い付く限り探してみたがやはり晴には会えなかった。
 五日目に至っては兎角はとうとう4号室、千足達の部屋にまで足を伸ばした。
 あの日以降、当たり前ではあるが千足とは気まずさ故に口を利いていなかったがここまで来ればそんなことは気にしていられない。柩なら、もしくは千足なら何か話が聞けるかもしれない。
 兎角はできるだけ普通に4号室の扉をノックした。すると室内から慌てたような足音が響きすぐに扉は開かれた。出てきたのは千足で何か期待をするような目をしていたが、扉の前に立っているのが兎角だとわかると目に見えて落胆した。それだけで兎角は千足の現状を把握した。


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