【悪魔のリドル】兎角「一線を越える、ということ」
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22:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:25:50.53 ID:u1xI7N2CO
 事態が動いたのは翌週の水曜日のことであった。

 その日も晴達は授業開始ギリギリに来て兎角達と会話することなく過ごしていた。
 今日も変化なしかと兎角らも受け入れていたが、間もなく今日の授業が終わろうかという頃兎角のタブレットに一通のメールが届く。
 一目見て兎角は叫びたくなるくらいに衝撃を受けた。
 差出人は晴。内容は一言、話があるから部屋で待っていてとのことだった。

 兎角は感動と不安で震えた。
 まず晴とコミュニケーションがとれたことが感動であった。思えば半月ほどぶりの晴との交流であった。そのことに自分でも驚くくらいに感動していた。
 しかしだからこそ不安にもなった。話とはいったいなんなのだろうか。楽観的な予想と悲劇的な予想とが頭の中で目まぐるしく飛び交う。強いて言えば予想の天秤は悲劇の方にやや傾いている。
 兎角は胃液が喉に上がってくるのを感じた。しかしながら覚悟を決めるしか道はなかった。
 兎角は無理矢理に唾をのみ込む。

 授業終了のチャイムと共に晴と柩は出ていった。兎角はその背中を黙って見送った。


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