鷺沢文香「アッシェンプッテルの日記帳」
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6: ◆ao.kz0hS/Q[sage saga]
2017/10/07(土) 23:53:46.78 ID:mxDxIcFa0

ですが翌日の夕方自室に帰ってくると、惨めさに自己嫌悪したことなど綺麗さっぱり忘れてしまったかのように、自然に右手を秘所に伸ばしている自分を発見しました。
数万の文字を追うまでもなく、あの夜を思い出しながら右手を動かすだけで、愛も怒りも悲しみも欲望も諦観もカタルシスも味わえるのですからね。
やらない方が不自然とまで考えていたかもしれません。
初心でナイーブな私にとって、それは正に禁断の果実だったのです。
(キリスト教圏から猛抗議を受けそうな低俗な例えですね…オナンがしたのは膣外射精でしたし)


それから一週間ほどは、自慰のこと考えているか、実際に自慰をしているか、自慰に疲れて寝ているか、のいずれかというようなとても酷い生活を送っていました。
盛りの付いたメス猫…というよりは猿でした。(猿沢文香?)
それでもただの猿でいられれば…そこで踏み止まっていられれば、まだマシでした。
しかしやはり人間である以上、どれだけ鮮烈な体験であったとしても、いつかは慣れてしまうということかもしれません。

次第に、あの夜の記憶だけで致すのが物足りなくなってきたのです。
常に新鮮な刺激を求めるのが人間。
この人間の性質を賛美するか、業が深いと捉えるかは人それぞれでしょう。


私はPさんと美波さんを監視し始めました。(『監視』は流石に言い過ぎかも)
時間の許す限り事務所へ出向き、片隅に配置されている休憩用のソファに腰かけて読書に耽るフリをしながら、耳目をPさんのデスクへと集中するようになったのです。
言わずもがな、使えるオカズを求めて。

『そういう目』で見ると一目瞭然でした。

彼と美波さんが話すとき、その距離が他の誰よりも近づいていることに気付きました。
そそ二人の頬にはいつも朱が差していて、言葉もなくただ見つめ合う回数が日毎に増えていくようでした。
それに何より、お互いの体に触れる仕草の自然さと遠慮のなさ…。

二人が着々と絆を深めていくサインに気付く度に、あの夜に引けを取らないほどに心が掻き乱されました。
呼吸もし辛くなり、平衡感覚も失って、下腹部はきゅうきゅうと慰めを求めてくるのです。
そうなると翌日は決まって寝坊という体たらくでしたね。

特に、彼のワイシャツがいつになく綺麗にアイロンがけされているのに気付いた日は大変でした。
その意味に思い至った瞬間、危うく絶頂の叫びを上げてしまうところでした。
しかも自宅に戻るのも待てず、これからダンスレッスンが控えているというのに、お手洗いに駆け込んでしまいました。
当然の結果として、雌の臭いをプンプン漂わせながらレッスンすることになり…他の参加者の皆さんには悪いことをしたかもしれません。


二人は青春を謳歌し、私は背徳の自慰に溺れる。
月と蛆虫のようなその差にさえ、倒錯した興奮を覚えていた私はもうどうしようもありません。
どうせもう手に入らないのなら、いっそのこともっと打ちのめして欲しかった。
そうすれば自分を慰める大義名分ができるのですから。


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