1:名無しNIPPER[saga]
2017/10/30(月) 23:20:07.48 ID:kdzcLd5s0
陰鬱な、しかしどこか熱気を孕んだ空気ぐ
薄暗いテントの中に充満する。
様々な香水でその場はむせ返るように甘く、臭い。
商人「どれくらいで売れるかね」
舞台の裏手、檻の前で男は下卑た笑みを浮かべる。
人攫い「身代金せしめるよりは高値だろ」
傷の目立つ男が檻を蹴る。
貴族「ひっ!?」
その中で小さく蹲るのは、数ヶ月前戦争に敗れた国の貴族の娘。
15、もしくはそれに満たない容姿であり、黒い豊かな髪は育ってきた環境の上質さを物語る。
商人「家事やらできない仕事押し付けられるのとどっちが幸せかね」
人攫い「最悪殺されたり食われたりするなら、俺なら死ぬ気で皿くらい洗うけどな」
檻の向こうでの話しに、貴族の娘はただただ青褪める。
人攫い「150万、これくらい行かなきゃ割りに合わん」
商人「はは、500万はくだらねぇよ……っと、あんたの番だ」
そう言い、檻から出され首輪についた鎖を引かれ……全裸のまま、舞台の上に立つ。
商人「さあさあ皆様、こちらは西方王国の没落貴族、その長女でございます!」
ガァガァとダミ声で自分を売り捌こうとする男を、そしてそれを聞く仮面をかけた者達を見る。
貴族「……………………」
観念したように、彼女は涙を流す。
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