110:名無しNIPPER[saga]
2017/11/27(月) 12:16:45.30 ID:6TdKgm8c0
「どうですか?」
それを舌と歯でかみしめながら、ついでに彼女が吹きかけたものも喉に通していく。
「おい、しい……」
それは、まこもが僕に与えてくれた一口だった。自分ですくった匙からではない。確かな優しさを含んだ僕以外からの、僕のための一口。
「えへへ、よかったです。……ってええ!? なっ、大丈夫ですか! どこか痛みますか!?」
風邪にやられて何もかもが麻痺している。手足も、ぼーっとする頭も、ついでに涙腺も……
「いや大丈夫。なんか、すごくおいしくて……」
「泣くほどですか? やっぱりものすごくおなかが減ってたんですねぇ。おなかがすいているときは何でもおいしく感じられますから」
「まこもが作ってくれたからだよ」
恥ずかしくて、風邪よりも寒気のするセリフ。でも簡単に口を出た。
「ふぇ、え……あ……ありがとぅ、ございまふ……」
無理やり休むことになる上、手足の自由が利かずゆとりのある時間を生かせるわけでもない現状を朝は不幸だと呪ったが今はなんとなく
(たまにはこういうのも悪くないな)
そう思った。
232Res/120.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20