39:名無しNIPPER[saga]
2017/11/20(月) 00:06:39.98 ID:A9Sw+MVr0
靴を脱ぎながら彼女の頭をなでる。触れて安心したのか垂れていた尻尾が揺れた。僕と一緒に暮らした時間なんてまだ社に一人でいたときの何百分の何千分の一にも満たないはずなのに、おきつねさまは寂しがりやだった。
普段はこっちから抱きつけば拒むくせに、なんともまあわがままなことだろうか。でも僕は彼女を拒んだりしない。
そっと、まこもの背に手を……
「おなかがすきました」
「あ。そっか、そうだよな」
まこもはそういうと手渡す前に僕が持っていた袋をかっさらっていった。餌を確保した野生動物のように僕にはもう用済みと部屋の中に戻っていく。
「あ、ちょっ……」
パタンと閉じた襖から吹いた風は冷たかった。
「はぁ……」
業務を失敗したときよりも、上司に叱られたときよりも沈んだ気持ちになった。
(泣いていいか?)
まこもではない別の神様に、なんともいえない行き場のない哀しみを漏らす許しを乞いた。
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