イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」
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71: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2018/02/11(日) 02:30:11.42 ID:5DDzoYWB0
…朝食…

提督「それはそうと…」周囲にそっと視線を走らせる…



…連れてこられた時は敵意を持った視線や「マカロニの捕虜」に対する冷笑をひしひしと感じていた提督…が、この数日は深海棲艦同士で回して見たらしい「例の写真」やクィーンとの「交流」があったせいか、食卓に並んでいる深海棲艦たちの視線が心なしか欲情したような、どこかぎらぎらしたものに変わっている……時折胸やふとももに向けられた視線を感じて、別な意味で危険を感じている提督……


G級「…なにか?」

提督「…いえ」あきらめて食卓に視線を戻す提督…相変わらず縁がチリチリになったハムと、ゴムそこのけに固くなった卵で出来たハムエッグス……そこについている焼きすぎのトーストに煮込みすぎて形もないベイクドビーンズ……おまけに卓上には黒い樹脂のようなものが鎮座している…

ケント級「…あむっ…むしゃむしゃ……」あまり空腹を感じないらしい深海棲艦たちは数日に一度の食事で済むらしく、今朝は三人の重巡「カウンティ」級とC級軽巡グループでも「ケープタウン」級に属する「カイロ」、パース級軽巡「シドニー」、大型の駆逐艦「トライバル」級が数人座っている…

軽巡シドニー「カイロ、それを取ってくんなよ」

C級軽巡「どうぞ」

シドニー「おーし、やっぱり『ベジマイト』がないと始まらないってもんよ…ずずずぅ…」マナーもへったくれもない様子で片脚を上げたまま「ベジマイト」を塗りたくったパンをがつがつと胃に放り込み、イギリス海軍伝統のホットココアで流し込む…

(※ベジマイト…野菜と酵母を発酵させて作るオーストラリア特産のスプレッド。ビタミンが多いらしいが味は「オーストラリア人専用」とのこと……)

提督「………」

G級「…早く食べないと冷めるわよ、アドミラル?」

提督「…ええ」


………

…昼食…

クィーン「今日はインド風昼食ですか、カイロ…見ているだけで「タージ・マハール」が目に浮かぶようです」

カイロ「ありがたきお言葉…どうですか、本場で仕込んでイギリス風にアレンジしたカリーは美味しいでしょう…」

提督「え、ええ……」辛さも今一つで水っぽく、風味もピンとこない不味いカレーを前にげんなりしている提督…仕方なしに濃いストレートティーを飲みながら黙々と食べる…

デリー(D級軽巡)「美味しい、これこそ故郷の味ね…」

クィーン「ふぅ…美味でしたよ、カイロ」

カイロ「恐縮です、陛下…」

………

…夕食…

ロンドン「…さて、我々の捕虜とはいえせっかくの機会ですから…アドミラルには世界の中心地、ロンドンの味を食べてもらわないと」

提督「…」目の前にドシンと置かれた大皿には、種類も選ばずぶつ切りにして焦げそうなほどガリガリに揚げた数種類の魚と、油っぽいポテトフライが載っている…

提督「えーと…これは「フィッシュ・アンド・チップス」でいいのかしら?」

ロンドン「いかにも…高尚な食べ物ではないが、ホワイトホール(イギリス海軍省)に行くまでの小腹ふさぎにと、若手の士官たちもつまんでいたものよ」

提督「…い、いただきます」ひくひくと口もとを引きつらせながら、魚のフライに取りかかる…

ロンドン「どうだ、ロンドンっ子の力の源は?」

提督「…あの、この魚ってウナギ?」ぶつ切りにされたウナギをぬめりも取らずに衣をつけ、すっかり固くなるまで揚げてある……

ロンドン「知らん。とにかく魚を揚げればいいのだからな」

提督「……ちょっといいかしら」

G級「何?」

提督「ここにも厨房とか食料庫はあるのよね?…明日必ずそこに連れて行きなさい。いいわね?」

G級「わ、分かったわよ…ずいぶんな剣幕だこと……」

提督「…ごちそうさまでした、もういいわ……」

ロンドン「そうか、なら私が……んぐ…何だこの魚は、えらくマズイな……」

提督「あー…きっとそう言う魚なんでしょうね…」(…ウナギを「フィッシュ・アンド・チップス」に使うからでしょうが…やっぱりイギリスの深海棲艦はセンスもイギリス流なのね…きっと永遠に分かり合えないわ……)

………


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