イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」
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901: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2023/12/07(木) 02:15:02.29 ID:v0j/RYhV0
フェリーチェ「……お祖母さんの持っていたトカレフだなんて、ああ見えてセンチメンタルなところがあるのね」

提督「ええ。もちろん部品は取り替えたりしているとは言っていたけれど」

フェリーチェ「お飾りの銃を持っているようなタイプではないものね」

提督「そう思うわ。それと二人きりになると…たいていは皮肉なブラックユーモアだったけれど…意外と冗談も言うし、少なくとも無感情なロボットみたいではなかったわ」

フェリーチェ「なるほどね……続けて?」メモすら取らずに、手を組んで話を聞いている……

提督「それから……ねぇ、本当に言わないとダメなの?」

フェリーチェ「言える範囲でいいわよ……例えば傷だとか刺青はあった?」

提督「いいえ、少なくとも見た限りでは綺麗だったわ」

フェリーチェ「ふぅん?」

提督「ミカエラも気になった? 私も「ロシアの将校」っていうと刺青を入れているようなイメージがあったから聞いてみたの」

フェリーチェ「それで?」

提督「ええ、クズネツォワ少将が言うにはね……」

………

提督「……ユーリアの肌は綺麗ですね」

クズネツォワ「そうか?」

提督「ええ……きめ細やかで、透き通るように白くて……」

…互いに身体を重ね合ったあと、クズネツォワの裸身を優しく愛撫する提督……乳液や保湿クリームといった肌の手入れとはまるで縁がないようだが、鞭のようなしなやかな筋肉を包む肌はあくまで白く、提督と交わした愛の交歓のおかげでぽーっと赤みが差している…

クズネツォワ「ふむ、そうか……」

提督「はい。 それに、刺青は入れていないのですね」

クズネツォワ「刺青?」

提督「その……勝手なイメージですが、ロシアの将校というと腕やお腹にすごい刺青を彫っているものとばかり……」

クズネツォワ「映画などに出てくる兵隊崩れのマフィアが入れているような、おどろおどろしい髑髏だのコウモリが羽を広げているようなやつか?」

提督「えぇ、まぁ……お恥ずかしながら、その程度のイメージしかなくって///」

クズネツォワ「ふ……まあ分からんでもない、空挺の連中や何かはよくドッグタグ(認識票)代わりに刺青を入れたりするし、ロシアンマフィアはハッタリのためだったり、組の構成員であることの証明で刺青を入れていたりするからな」

提督「ええ、そういうイメージです……」

クズネツォワ「まあ知らん人間からしたらそうだろう……だがな」

提督「?」

クズネツォワ「スパイにしろなんにしろ「本物」はそんなもの入れないのだ……特徴的な刺青なんていうのは、それだけで身元を割られる元だからな」

提督「なるほど……」

クズネツォワ「ああ。期待を裏切って申し訳ないがな、西側の映画や何かでみる「刺青を入れたイワンのスパイ」なんていうのは絵空事だよ」

提督「そうなのですね……では、私がユーリアの真っ白なキャンバスに絵を描くことにします♪」そう言いながら鎖骨に吸い付くようなキスをした……

………

提督「……と、そんな風に言っていたわ」

フェリーチェ「やっぱりね……おかげでいい情報がとれたわ」

提督「約束は覚えているわよね?」

フェリーチェ「当然。貴女から聞いたなんておくびにも出さないわ……あとはもう一度レコーダーを回してありきたりな質問をするから、それなりに答えてくれればいいわ。お疲れさま」

提督「どういたしまして」

…再びICレコーダーを回していくつかの質問をぶつけると、事務的な口調で「以上で聴取を終わります」と締めくくった……それからポットのコーヒーを注ぐと、しばし軍で親しい間柄にある知り合いたちの近況を話題にして話の花を咲かせた…

フェリーチェ「いけない、もうこんな時間……悪いけど、ローマに戻って報告書を上げないといけないの。それじゃあ、良いクリスマスをね?」

提督「相変わらず忙しいのね。 ミカエラもいいクリスマスを♪」

フェリーチェ「ええ、ありがと……それじゃあね」そういって提督の唇に「ちゅっ♪」と音を立てて唇を重ねた……

提督「ええ♪」


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