イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」
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945: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2024/09/18(水) 02:08:23.74 ID:UlD+9rfd0
…元日・明け方…

百合姫提督「お天道様、本年もよろしくお願いいたします……」除夜の鐘を聞いたあとで仮眠を取った百合姫提督は、家のベランダに出て白い息を吐きながら、次第に空を黄色く染めながら昇る初日の出を拝んだ……

父「ふわぁ……早いね、初日の出は見られたかい?」

百合姫提督「うん、とっても綺麗だったわ」

父「良かったね。それと初詣に行く前にもう一度お風呂に浸かって、身体を清めて来た方が良いね」

百合姫提督「はい」

…朝…

母「……準備できた?」

百合姫提督「ええ、大丈夫」

父「そうか、それじゃあそろそろ行こうか……お祖父ちゃんたちは後で行くそうだから、僕たちだけで先に初詣を済ませてこよう。戻ったらお雑煮とおせちを食べようね」

母「そうね。それから深雪、あなたが去年のお札と破魔矢を持って行ってちょうだいね?」

…白地に金糸で縁取られた紅の扇と緑の松という縁起のいい絵柄をあしらった正月小袖に袖を通し、久しぶりの下駄で玄関に出る百合姫提督……本来なら一月の寒い時期とは言え、百合姫提督の実家は温暖な地域にあり、小春日和とでもいいたくなるような優しい日差しが柔らかく降り注いでいる……片手にはお焚き上げに持って行く神社の破魔矢とお札を持ち、手首にひもを通した巾着には財布を始め、こまごましたものが入っている…

百合姫提督「はい」

………

百合姫提督「明けましておめでとうございます」

見知らぬ人「あ、どうも……明けましておめでとうございます」

…神社への道すがら、すれ違う見知らぬ人たちとも出来るだけ「明けましておめでとう」の挨拶か会釈を交わす百合姫提督の一家……元日と言うこともあって車通りも少ない神社への道は初詣に向かう人や初詣から戻る人がちらほらと行き交い、近所の老夫婦や帰省してきたらしい若い家族連れ、友達同士でお詣りに向かう学生など、普段なら接点のない人たちが同じ目的のために歩いている…

…神社…

父「よーし、それじゃあ写真を一枚撮ろうね」

母「はいはい」

百合姫提督「ええ」

氏子のおじさん「おっ、百合野さんとこの若旦那じゃないか……や、明けましておめでとう!」

父「ああ、これはこれは……どうも、明けましておめでとうございます」

おじさん「なんだ、記念写真かい? それならおれが撮ってやるからよ、若旦那も奥さんお嬢さんと一緒に写りなよ」

父「いいですか? 忙しいでしょうにすみません……」

おじさん「いいんだよ、せっかくのお正月なんだからさ……いいかい、撮るよ? そら、笑って笑って!」

父「いや、どうもお手数をおかけしました」

おじさん「なぁに、気にするなって。それより深雪ちゃんも大きくなったねぇ。ついこの間までちっちゃい女の子だとばっかり思っていたのに……しかも今じゃあ提督さんなんだって?」神社の法被を羽織っている氏子のおじさんは早くも一杯きこしめした様子で頬が赤い……

百合姫提督「ええ、一応は……」

おじさん「謙遜するこたぁないよ!小さいころから深雪ちゃんは礼儀正しかったし、おれは「きっと偉い人になる」ってずーっと言ってたんだ!」

百合姫提督「それは、その……ありがとうございます///」

おじさん「おう!境内で甘酒とか御神酒を配ってるから、ぜひ寄って挨拶して行ってくれよ。酒屋のじいさんとか勝ちゃんとか、みんな深雪ちゃんのことを孫みたいに思っていやがるからな、顔出したら喜ぶぜ」

百合姫提督「分かりました、お詣りが済んだら挨拶していきます」

おじさん「あいよ、それじゃあいいお正月をな!」

…境内…

百合姫提督「……」

…お焚き上げをしている氏子のおじさんにお札や破魔矢のお焚き上げをお願いし、それから手水鉢で手を清めて口をすすぎ、賽銭箱にお賽銭を入れると鈴を鳴らし、手を合わせて柏手を打つ……

父「……これでよし」

母「そうね、お焚き上げも済んだし……今年のお札を買わないと」女子高生のアルバイト巫女さんが詰めている社務所で家内安全のお札と破魔矢を買うと「はい、どうもありがとう」と一礼した……

父「それじゃあ甘酒でもいただいてから帰ろうか?」

百合姫提督「うん、そうする」

………

…


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