イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」
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972: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2025/05/01(木) 01:24:02.53 ID:YZXyTJeW0
提督「はぁ……温かい」

ライモン「そうですね」

…暖炉の脇、温もりがじんわりと伝わってくる場所に椅子を据えてココアのカップを手にしている提督たち……活発な娘たちが表ではしゃいでいるのを食堂の窓越しに眺めつつ、エリトレアが淹れてくれた甘く濃いチョコラータ(ココア)に舌鼓を打つ…

エリトレア「まだまだ寒いですからねぇ」厨房の後片付けを終えてエプロンを外したエリトレアは、くつろぎモードで銅製ポットのチョコラータを注いでいる……

提督「……それにしてもまだまだ夕暮れが短いわね」

ライモン「確かに、あっという間ですね」

…ことわざにある「秋の日は釣瓶落とし」ではないが、さっきまで少し頼りなげとはいえ穏やかな午後の日差しが残っていたというのに、あっという間に日が落ちて深青色に変わっていく海面……浜辺に打ち寄せる波の泡だけがほの白いだけで、空もヴェルヴェットのような黒一色に染まっていき、そこに小さな宝石の欠片を撒いたかのようにぽつりぽつりと星が出始める…

提督「灯台にも明りが入ったようね」鎮守府から数キロ先「小さな町」の方には小さな岬があって、そこに設けられた灯台が光の帯でさっと海面を払う……

デュイリオ「灯台が点いていると平和な気持ちになるものですね」

提督「深海棲艦のことがあるとはいえ厳密に言えば平時なわけだし、灯火管制をする必要もないものね」

…鎮守府の浜辺に「ざぁ……っ」と寄せては返す波音に耳傾け、遠くにさっと流れる灯台の光芒を見るでもなくぼーっと眺めながら、思い出したようにとろりとしたチョコラータに口をつける…

アラジ「ただいま戻りましたっ!」

提督「あぁ、お帰りなさい……ルチア、満足した?」

ルチア「ワンッ♪」

アラジ「なにしろ思い切り駆け回ったからね♪ ……全身砂まみれになっちゃったので、さっきドックの簡易シャワーで軽く流してからお風呂場で洗ってあげました」

提督「ありがとう、お疲れさま♪ エリトレアがチョコラータを淹れてくれたから、良かったらどうぞ」

アラジ「やった♪」

…ついでに自分も洗ってきたのか、まだ湿り気の残っている髪をかき上げると自分のマグカップを持ってきて暖炉の前に座り、ポットから湯気の立つチョコラータをたっぷり注いだ……ルチアは暖炉の前の敷物に長々と身体を横たえると器用に頭を回してあちこち舐め回して毛並みを整えつつ、暇な艦娘たちが遊び半分にブラシを持ち出すと喜んでブラッシングに応じている…

提督「……ふふ♪」

ライモン「提督?」

提督「いえ、ね……こうのんびりしているとあくびでも出そうな気がして。 電話でも来ないかしら?」

ライモン「いくらなんでもそう都合良くかかってくることはないと思いますが……」そう言いかけたところで、提督が持ち歩いている私用の携帯電話がぶるぶると震えだした……

提督「噂をすればなんとやら……ね」

ライモン「すごいタイミングですね……どなたからでしょうか?」

提督「えぇ…と、ジェーンからね。 はい、もしもし?」

ミッチャー提督「ハーイ、フランチェスカ♪ 元気? いまおしゃべりしても大丈夫かしら?」

提督「ええ、ちょうど話し相手が欲しかったところよ♪」

ミッチャー提督「オーケー、タイミングはばっちりだったわけね……そうそう、クリスマスプレゼントとグリーティングカードをありがと♪ うちのガールズたちも喜んでたわ」

提督「こちらこそプレゼントをたくさん送ってもらって感謝しているわ、ありがとう」

ミッチャー提督「ノ−・プロブレム。こういうのはギヴ・アンド・テイクなんだからさ……そっちはどう?」

提督「そうねぇ……鎮守府にいるとは言っても管区司令部もまだクリスマス気分が抜けきっていないみたいでのんびりしたものよ」

ミッチャー提督「そいつはうらやましい限りね……こちとらはボスが気短なおかげで休み明けもなにもあったもんじゃないわ」

提督「その調子だとあまり聞かない方が良さそうだけれど、ちゃんと休暇は取れたの?」

ミッチャー提督「そいつは心配無用よ。「31ノット・バーク」そこのけの勢いで書類を片付けて、ついでに休暇申請書を叩きつけてやったわ……ま、休暇といっても飲み歩くか女を呼んで騒ぐかのどっちかだったけど♪」

提督「くすくすっ……相変わらずね?」

ミッチャー提督「まぁね。それにアナポリス(海軍兵学校)時代の知り合いどもがイカした57年型の「シボレー・ベルエア」で乗り込んで来たもんだからさ。わいわい言いながら街に繰り出して、久しぶりの上陸みたいにはしゃぎ回ったわ♪」

提督「ふふっ、きっとにぎやかだったでしょうね♪」

ミッチャー提督「にぎやかなんてもんじゃなかったわよ。バドワイザーとテキーラの海でミズーリが浮くんじゃないかってくらいで、ストリッパーは来るし憲兵は駆けつけるし、翌日になって二日酔いの頭を抱えて起きてみれば、どっかの娼婦たちと一緒にどでかいハート型のベッドに転がり込んでるし……」

提督「複数形ってことは、何人もいたの?」

ミッチャー提督「ええ。なんでも「今日は全員相手してやるから遠慮するな」って私たちが札ビラを切ったもんだから、一人に四人くらいはついちゃったみたいなのよね。こっちは覚えちゃいないけど、あちらさんによるとそういう話だったわ」

提督「なんて言うのかしら、いかにも「らしい」クリスマスだったようね?」

ミッチャー提督「おかげさまでね♪」


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