129:塔の主 ◆B2ErFCUzdE[sage saga]
2018/01/10(水) 00:30:24.42 ID:L/R1QGVu0
ミルキィがギルド入りして数日、ギルド『プリティーうさちゃんズ』の面々はタワー探索のための下準備や集めた情報の整頓などにあけくれていた。
「結局、最上階に何が待ち受けているのかという情報は未だに入ってきていないんだな?」
ツバキは机に並べられた数々の図面やウワサ話の書かれたメモなどに目を通しながら険しい表情で向かい合うクチナに問うた。
「塔を覆う魔力は最上階から発せられているということは確かなのですが、その魔力の源が不明なんですよね。ある種のマジックアイテムなのか、強力な魔力を持つ魔物の類か、あるいは…異界への扉が開いているのか」
「なんにせよ、まずは最上階にたどり着いて真相を確かめなければならないということだな」
「いよいよ明日、決行ですね」
「うむ。いよいよギルド『プリティーうさちゃんズ』の本格始動というわけだ」
はぁ〜〜〜っ…
「ん?なんだクチナ。溜息など吐いて。下準備で疲れたか」
「あ…いえ。つくづく緊張感に欠ける名称だなぁと思いまして。これからとても大きな事件に挑もうというのに…」
「ははは。お前は正直だなぁ。いいじゃあないか、おかげでいい具合に肩の力も抜ける。がちがちに凝り固まった気持ちで挑んでもかえってよくないと私は思うぞ」
「リラックス、リラックスですか。あなたはいつもそうですね…初めてあったときから、大胆で、おおらかで」
そこまで言って、クチナは顔を伏せた。
「私は…怖いです。お告げ…神の言葉に従い、私はあなたと、ギンガさんに出会い、そしてアリスさんやミルキィさんと出会えた。でも…私の…私の…神は…」
「…クチナ?」
「あ、あの…ツバキさん…じつは、私…」
クチナが何かを言いかけたその時だった。
「失礼します」
「ひゃああああーーーーーーーっっっっ!!!???」
突然背後からギンガに話しかけられ絶叫するクチナ。
「ギギギギンガさん!気配隠して後ろに立たないでもらえますか!?私一応気配に敏感ですけどプロの忍びに気配消されたら流石にわかりませんから!本気で!」
「失礼。音を殺して行動するのがクセでして。それはそうとお二人とも、夕食の用意が整っております」
「ああ、もうそんな時間だったか」
「はい。今晩の夕食代はミルキィが奮発してくれまして、決行前の景気づけに特別豪華な献立を用意してくれたとのことです」
「そうか、ミルキィもなかなか豪気なやつだな。よし、では遠慮なくいただいてくるとするか!…クチナ、話はまた今度だ。お前も一緒に食べよう」
「あ…私はもう少し…」
「そうか、早くこいよ」
部屋からツバキが出ていったことを確認し、クチナは部屋の窓の方を向いた。
その方向には夜の闇の中にそびえ立つ、かつての大灯台だったものの姿がある。
「何が…待ち受けているというの… 神は…ツバキさんたちに何をさせるつもりなの?」
その小さな問いかけに応えるものは誰もいない。
彼女の神も、口をつぐんだまま―
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