52:塔の主 ◆B2ErFCUzdE[sage saga]
2018/01/08(月) 10:26:19.38 ID:FLdDHFhS0
? 「―いいからとっとと その娘を解放しろ」
一瞬。
冷気が部屋を満たした。
否。
冷気ではなく殺気。標的の魂を凍結させるかのような研ぎ澄まされた殺意。
嗤っていた部屋の男どもの全ての表情が恐怖へ転じ、硬直した。
ツバキをからかっていた副リーダーも同様に。
(…やべぇ…こいつは…)
? 「動くな」
音もなく、なんの気配もなく。
いつのまにか、彼の背後に影が立っていた。
ちくっ
「ひっ…」
? 「わかるか。 今貴様の耳の穴から三半規管まで 『針を通した』」
今度こそ副リーダーを恐怖が支配した。
わかる。わかってしまう。痛みはまったくないのに、『何かが入ってきている』実感だけはある。
「拙者が少し指に力を込めれば貴様は二度と満足に其の足で地を歩くことは叶わんだろう。 さて…」
背後の影が言葉を続ける。
「まだ 交換とやらの話を続けるか?」
「わ、わかった。こうさん、だ…」
恐怖にかすれた声で、敗北の言葉を絞り出す副リーダー。
「ギンガ、よくやった。おい、その子は預からせてもらうぞ」
「…好きにしろ」
『ギンガ』に針を耳に突き刺されたままの男の横をすり抜け、ツバキは床に横たわるミルキィの側にしゃがみ込んだ。
「もう大丈夫だ。さぁ、私たちと一緒に行こう―」
優しくも頼もしいその声に不思議な安心感を覚えたのか…ミルキィは安らかに意識を失った。
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