51:塔の主 ◆B2ErFCUzdE[sage saga]
2018/01/08(月) 10:23:20.30 ID:FLdDHFhS0
「さすがに介抱してやらねぇとマズいな。おいお前ら、気つけ薬を…」
その時だった。
「副リーダー!き、来ました!」
見張りと思しき配下の一人が慌てたように部屋に駆け込んでくる。
「なんだ?ボスのお帰りか。それにしては早…」
「ち、違います!あいつです!あの侍女が!」
報告を聞いて副リーダーは露骨に顔をしかめ、舌打ちする。
「…ちっ。またかよ」
嫌な奴が来た、と言わんばかりの苦い表情。
(まさかこの娘が目当てなんじゃないだろうな)
などと彼が考えを巡らせている間に、二人の女性が堂々と部屋に踏み込んできた。
長い黒髪と奇妙な形状をしたライトアーマー(遥か東方の国で使用されているという鎧を改造したもの)を身にまとう美しい長身の女。
もう一人は動きやすさを重視したのか、露出の多い黒を基調とした衣装を身にまとう、外ハネの銀髪ショートヘアと切れ長の瞳が印象的な小さな少女だ。
「たのもーう!」
凛とした、それでいて力強い叫びが室内に響き渡る。
「リーダーツバキ。『たのもう』はいえにはいるまえのあいさつ。はいってからいっちゃダメ」
「おっと、そうだったな。では少し仕切りなおそう」
ツバキと呼ばれた女性はおほんと小さく咳払いすると、男どもに向かって再び力強く言い放つ。
「ツバキ、見参である! こちらで乱暴されている女性がいると聞きつけ救けに参じた!」
「はぁ…やれやれ」
予感が的中してしまい思わず苦笑いの副リーダーである。
否、目だけは笑っていなかったが。
そんな中で、朗々とした声の主に反応したのかミルキィの意識がほんの少し覚醒する。
不自由な体勢でありながらもなんとかごろりと床をころがりそちらへ顔を向けると声の主と目が合った。
声の主―ツバキは怒りの感情を瞳に灯したが、それはすぐに優しさと頼もしさの色に変わる。
心配するな、と語り掛けてくるその瞳はミルキィの身体にほんの少しの活力を与えてくれるかのようだった。
「正義の冒険者ギルドさまはお忙しいですねぇ。いちいち何かにつけて首突っ込んできやがって。いい加減うっとうしいんですけど?」
「黙れ!畜生に墜ちた冒険者ども!またしてもそのような狼藉を働きよって…」
どうも彼らはこれまでに何度も衝突を繰り返しているらしい。
「いやいやいや、これはね、プレイですよ、ぷ・れ・い。個人の性的な趣味というやつは他人には理解しがたいもんでしょうが、この子ときたらそれはそれは気持ちよさそうに…」
「言い訳無用!息も絶え絶えにしておいて何が『ぷれい』か!」
「…別にこの子はお前らの所有物ってわけでもねぇだろ?どうしても譲ってほしいなら交換条件といこうじゃないか」
「交換条件…だと?」
「ああ。お前らのどっちかが、この女のかわりにガッツリご奉仕してくれるなら、くれてやってもかまわないぜ?」
「ははは!そりゃいいや!」
「副リーダー!お、おれ、その銀髪ちゃんがいいっす!」
男どもの下品な笑いが部屋に充満する。
しかし。
1002Res/624.33 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20