59:塔の主 ◆B2ErFCUzdE[sage saga]
2018/01/08(月) 23:06:19.17 ID:FLdDHFhS0
ミルキィが廃屋で襲われてから丸一日後。
「う〜ん…う〜ん…」
ミルキィはツバキと仲間たちが仮の拠点としている宿屋のベッドの中で今も眠りについていた。
「まだうなされてるみたいね。悪い夢でもみているのかしら」
ベッドの傍らで彼女の様子を見守っているのは女侍ツバキ、黒い忍び装束に身を包んだギンガ、そして昨日からうなされているミルキィの看病を続けている盲目の女性の3人。
盲目の女性の名は 『クチナ』。
包帯のように巻き付けた布で瞼を覆い隠す容貌が印象的だ。
「無理もない… あのような酷い目にあわされていてはな」
神妙な顔つきでツバキが昨日のことを思う。
「奴らめ…何が楽しくて息が詰まるまで女性に
ヨ ー グ ル ト を食べさせるなどという辱めを与えるのか!まったくもって理解できん!」
くわっ!と目を見開いて怒りをあらわにするツバキだが、むしろその台詞の方が一般の方々にとっては理解不能であろう。
「ねぇ、ギンガさん。ちょっとちょっと」
「なんですか、クチナ」
クチナはギンガのそばに近寄ると、憤慨しているツバキには聞こえないよう声をひそめて語り掛ける。
「あのう、いい加減ツバキさんにはきちんとした性教育を施したほうがいいんじゃないかしら。 ヨーグルトって。精液をヨーグルトって」
「性教育などツバキ様にはまだ早い。ツバキ様にはまだまだ汚れを知らない少女の心であり続けてほしいのです」
「え…ええ〜と…」
ギンガがキリリとした表情で言い放った言葉に対して思わず頭を抱えるクチナ。
「あのですねギンガさん…それは少年少女の純粋さを信奉するあまり歪んだ教育観を確立しちゃってるパターンですよ?」
なんでもツバキの生まれは高貴な家柄であるらしく、蝶よ花よと大切に育てられてきたということだが教育方針に難があったのかどうにも一般常識に欠けるところが多い。
それは一般的な性の知識についてもいえることであった。
ちなみにギンガはツバキの家に代々仕えている忍びの家系に生まれており、ツバキとは幼少のころから親しい関係にある。
「フッ…大丈夫ですよ。 ツバキさまもきちんと理解されております。 子供とは、お父上とお母上が愛し合うことで授かるものであると」
「5歳児!理解度が5歳児レベル!」
ツバキは天然であるがこのギンガもたいがいである。
「ツバキさんはもう18なんですから!成熟した大人の身体で子供だって作れるんですから!間違いがあってからでは遅いんですよ!?」
「―おいおい、あまり騒ぐな。ほら、彼女が起きてしまうぞ…」
「あ、は、はい…」
話の中心人物からヒートアップして大きくなった声を注意されて、なんともモヤモヤした気分になるクチナであった。
「う〜ん…ナメクジ…ナメクジがぁ…むにゃ…ん…?」
今の騒ぎで眠りを妨げられたのか、ミルキィが丸一日の眠りからようやく目覚めたようだ。
「あれ…ここ…どこ…?」
「目が覚めたか。もう少し眠っていてくれてもよかったんだが、騒がしくしてしまったからな。うなされていたようだが、大丈夫か?」
まだ頭がぼうっとしているミルキィに優しく声をかけるツバキ。
「うん…すっごくヤな夢みた…大量のくさいナメクジが口の中になだれこんでくる夢…」
「なるほど、本気で嫌な夢だな。ならもう起きたほうがいいか。ギンガ、白湯を用意してくれ」
「はっ、すでにここに。ぬるめで飲みやすくなっております」
ミルキィは上体を起こすとギンガからお湯のはいったカップをうけとり、ゆっくりと口をつける。
ぬるめの白湯をごくりごくりと飲むごとに、もやのかかっていたようなミルキィの意識も次第に覚醒していった。
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