744:塔の主 ◆B2ErFCUzdE[sage saga]
2018/03/10(土) 07:48:31.17 ID:R/EdiaWy0
深刻な表情がさらに険しくなる。むしろこっちの方が大きな問題だと言いたげに。
「この第4階層の支配者『ジェネラルオーク』。そいつにだけは見つかりたくないわね」
「つよいの?」
「私もウワサでしか聞いたことはないけど…通常のオークより一回り二回り大きい上に、人間並みに賢くて魔法も使えるって話よ。今の状態で見つかったら…私たち終わりだわ」
そう言うとウェルはぶるりと身体を震わせた。
魔力も触手もない今の状態はあまりにも心細い。
「なんとか…魔力が使えるようになるまで見つからずにいるしかない。ああ〜…ほんとうに厄日だわぁ…」
へたへたと脱力して座り込んでしまうウェル。
「そっかー。 …じゃあ」
へたりこんだウェルの隣りに、ちょこんとアリスも座り込む。
「みつかったら、わたしが ウェルをまもるね」
「…はぁ?」
思わず間抜けな声を出してしまうウェル。
「まりょくがつかえなくなったのは わたしのせいだし。それに」
しかしアリスはいつもの無表情のまま。
「ウェルはわるいこだけど それでも」
隣りに座り込む淫魔ハーフの女の子の瞳を見つめながら、ホムンクルスの少女は言葉を続ける。
「ともだちになれると おもうから」
ウェルは一瞬ぽかんとしていた。
が、すぐに小馬鹿にしたような表情と口調で言う。
「…はん。貴方やっぱり、私のこと勘違いしてるわっ」
「してない」
「してるわよ。世間知らずのお馬鹿さん」
苦笑しながら言うも、不思議と悪い気はしていない。
(―ともだち、かぁ)
自分を助けると言ってくれた、自分と同じような中途半端な存在。
もしもそんな娘と一緒にいられたら。
自分はもしかしたら―。
「ねぇ、アリス。私は…」
その時。
空間が、震えた。
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