751:塔の主 ◆B2ErFCUzdE[saga]
2018/03/19(月) 11:06:51.22 ID:ZWPBDPNO0
まるで直立した象のような威容だった。
その肉体は人間ではどんな鍛錬を施しても決して手に入れることができないであろう強固な筋肉のかたまり。
オーク特有のでっぷりとしたシルエットではあるが、ただの大きめのオークというだけではないと一目でわかった。
貫禄が違う。威圧感が違う。
圧倒的な支配者のオーラが全身からにじみ出ているようだった。
「―この階層にも ちらほらと人間どもがうろつき始めたのかと思えば ―小娘ふたりか。そんな小さななりでよくここまでこれたものよ」
腹に響くような重低音。それでいて流暢な、人間のような発音。
普通のオークとは段違いの高い知性を感じさせる口調だった。
そいつは2人の少女を見定めるかのようにじっと見下ろしていた。
「将軍さま…こいつらです! オレが見た虹色の光が消えたあとに出てきた女どもは!」
良く見れば巨大なオークは十数体の通常サイズのオークを引き連れている。
ジェネラルオークの存在感があまりに強すぎてアリスもウェルも取り巻きが目に入らなかったようだ。
「虹色の…か。ふん」
オークの報告に何か思うところがあるのか、少し考えるそぶりを見せて鼻を鳴らす。
「どうやってここまで来れたかなど問題ではない。小さくてもなかなかの上玉だ…気に入った」
そう言うと、まわりのオークたちにじろりと視線をおくりさらに一言命じた。
「今日の俺の相手はそいつらにさせる。捕らえろ」
『へいっ!』
威勢の良い返事が上がり、周りのオークたちがアリスたちのほうに近寄ってくる。
「へへへ…よかったなぁちびっこども。将軍さまじきじきに犯してもらえるなんて、メスとしてこれほど光栄なことは無いぜぇ」
「あんまし抵抗しねぇことだな。大人しくしていりゃ将軍さまもそれなりに可愛がってくれるだろうよ」
「お前らのちっちぇえマンコがどこまでもつかは知らねぇがなぁ。ブヒヒ…」
下衆な言葉を口にしながら数体のオークがにじり寄る。
「アリス…ここは大人しく従うほうがいいわよ。殺されるよりは…犯されるほうがまだマシだわ…」
肩を震わせながらウェルが言う。
確かに2人がろくに戦えない状況で、これだけのオークを相手にするには絶望的。
しかも後ろにはジェネラルオークが控えているのだ。
しかし、アリスは…
「…ん」
カタカタと震えるウェルをかばうようにオークの前に立ちふさがった。
いつものクールな表情のままで。
「ちょっ…貴方まさか」
「…ウェルはにげるじゅんびを しておいて」
信じられないという顔をするウェルに、小声でアリスは伝える。
「わたしがオークたちをひきつける。ウェルはそのあいだににげればいい」
「正気なの…? 貴方まだ戦えるような身体じゃないでしょう!?」
「だいじょうぶ。わたしはすばやいからつかまらない」
アリスの考えは―。
まず自分がオークの群れに切り込み、攪乱する。
群れが混乱し、注意が全て自分に向いている間にウェルが逃走。
頃合いを見てアリスも戦線を離脱して難を逃れる作戦だ。
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