753:塔の主 ◆B2ErFCUzdE[sage saga]
2018/03/19(月) 11:09:32.79 ID:ZWPBDPNO0
「遅い」
ずどん!!
「―うごっ」
ジェネラルオークの掌底がアリスの顔面を的確にとらえ直撃した。
意識が消し飛ぶ寸前。
アリスはジェネラルオークの強さを見誤っていたことを悟った。
他のオークより一回り大きな体躯でありながら異常なまでの踏み込みの速さ。
素早く動く小さな標的を正確に捕らえる精密な動作。
それは鈍重などという言葉からはかけ離れた身体能力だ。
不吉な衝撃音にウェルは一瞬振り返ると…
アリスの小さな体がブン!と勢いよく吹き飛んで壁にたたきつけられ、どさりと床に墜落するのを見た。
「あ、アリスっ!?」
逃げる最中にも関わらず、思わず立ち止まってしまうウェル。
「っ…あ…がっ…」
ジェネラルは床に横たわって呻くアリスの頭を掴むと、そのまま小さな体を吊り上げるように持ち上げた。
「ふん。だらしない部下どもだ。羽虫一匹にてこずりよって」
「あ…ああっ…」
ぐったりしたまま吊り下げられたアリスの姿を見て、ウェルはその場にへたりこんでしまう。
自分が逃げるために戦ってくれた女の子。
生まれてはじめて自分のために戦ってくれた女の子。
けどその子は今ぼろぼろになって力尽きてしまった。
「あ…アリスっ…バカっ…だから…おとなしくしておけば…よかったのにっ…」
ぽろぽろと涙をこぼすウェルを朦朧とする意識のなかで見つめながら…アリスはツバキのことを思い出していた。
昨晩凌辱の果てに無様な姿で帰ってきたツバキのことを。
(―おかされるって、ああいうことだよね。ウェルがあんなふうになるところ みたくなかったから。でも…ごめんね)
悲しいかな、その言葉は腫れあがった唇からは出てこない。
そんな互いを想いあう二人をよそに、ジェネラルオークは満足げな笑みを浮かべていた。
「久しぶりに犯しがいのありそうなメスどもだ。楽しませてもらうぞ…せいぜい俺の腹の下でも威勢よく暴れるがいい」
ズタボロにされたアリスと意気消沈したウェルを担ぎ上げ、オークたちは巣穴へと引き上げていく。
アリスとウェルの受難はこれからが本番を迎えるのだ。
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