883:塔の主 ◆VfcsCSY7us[saga]
2019/02/08(金) 16:49:02.78 ID:lT4NJ2Dz0
「おや…?魔力球の光が…」」
産卵蟲を倒して後、さらに魔力を吸収した魔力球は不規則に明暗のリズムを繰り返し始めた。
「なんていうか…まるで私たちを誘導してるみたいだね。ちょっと貸してみて」
ミルキィはツバキから魔力球を受け取ると、いろいろな方向に球をかざしてみた。
すると一定の方向にかざした時だけ、魔力球は一層大きな光を放った。
「やっぱり!光が大きくなる方へ向かえってことじゃないかな! この方向にあるのはたぶん…」
「ああ、転移魔法陣だ!」
プリうさ一行は魔力球の光に導かれながら、迷宮を奥へ奥へと進んでいく。
やがて彼女らは迷宮の中、ひときわ大きな広場のような場所へとたどり着いた。
「空気が…変わりましたね。その…違う世界からの雰囲気が、流れ込んでいる…というか…表現が難しいですけど」
クチナが周囲を警戒しながら思いを口にする。
「リーダー、床を見て!」
同じく周囲を警戒しながら進んでいたミルキィが叫ぶ。
「こ、これは…」
うっすらと蒼い光を放つ、不可思議な紋様の魔法陣が床に大きく描かれていた。
「大きいな。これが転移魔法陣か」
「起動させるには魔力球が必要っていう話だけど、どう使うんだろうね」
「魔法陣を守護するボスがいる、とも石板には記されていたハズですけど…」
その時だった。
―カッ!
突如ミルキィが手にする魔力球が一際大きく眩く輝いた。
「うおっ!?」
魔力球の輝きにより、光に照らされたツバキの足元から大きな『影』が伸びる。
「な、なにこれ!?」
「な、なにが起こっているんですか!?」
盲目のクチナもただならぬ気配を察して狼狽する。
やがて光は収まり、魔力球の輝きは元に戻った。
「ぐ…おさまった、か…? なんだったんだ、今の光は…」
眩んだ眼をゆっくりと開きながらツバキが呻いた。
「え…あれ、ツバキさん…えっ…なんで…?」
「どうしたクチナ、何かあったか?」
「なんで…えっと、そのツバキさんの気配がもう一つ…ツバキさんが、『二人いる』…?」
「クチナ、何言って…えっ?」
その時、ミルキィは気づいた。
既に光は消えているというのに。
先ほど光に照らされて浮かび上がったツバキの影が…まだ消えていない。
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