955:塔の主 ◆VfcsCSY7us[saga]
2019/03/18(月) 11:38:43.14 ID:6nGy8dvY0
「おほん…で、では本題に入りましょう」
クチナは咳払いすると、会議を仕切りなおすべく本題を切り出した。
「結論から言いますと、私たちの行動は1階の攻略の時とそれほど変わりません」
クチナは魔力球を取り出し、机の中央に置いた。
1階で魔力を蓄えた魔力球は今は黄色い輝きを放っている。
「私たちは塔の2階のモンスターを打ち倒し、再びこの魔力球に力を蓄えます。
そして2階のどこかにある転移魔法陣を探し出し、完成した魔力球で魔法陣を起動、3階へと移動します」
「確かにやることは1階と同じだな。しかし倒すべき魔物はどこにいる? 少なくとも広場や大通りあたりには魔物の姿はないぞ」
そう、街の中は多くの住人が行きかい、明るく賑やかな空気が流れている。
1階ならば襲ってくる亜人もいただろうが、この街の亜人たちは皆穏やかで平和な生活を送ってるように見える。
実際ツバキが指摘した通り、魔物が出現しそうな気配など微塵も無い。
「それについては、あの窓の外の時計塔をご覧ください」
ギンガは窓を開くと、とある方向を指し示した。
そこには街のシンボルと呼ぶにふさわしい大きな時計塔がその威容を現している。
「あの時計塔を境界線とした、その向こう側。 薄暗く見える区域があるのがお分かりですか」
ツバキが目を凝らすと、確かに時計塔の向こう側の区域は曇り空の下であるかのように薄暗い。
「『 ダークエリア 』と呼ばれる、このファンタズマの無法地帯だと聞いております」
暗黒区域(ダークエリア)。
何故か昼間時間でも光が届きにくい領域であるため、多くのモンスターやならず者たちが徘徊しているという。
それゆえギンガの言うように『無法地帯』となっており、真っ当な街の住人からは忌避されている領域なのだ。
ちなみにダークエリアに対して明るい側はライトエリアと呼ばれている。
「光が届かない、ファンタズマの暗黒区域(ダークエリア)か…つまり」
ツバキが窓から視線を戻すとクチナが頷く。
「そう、私たちはこの宿を拠点とし、ダークエリアに踏み込んでモンスターを狩り、魔力を集めます」
「そか、だからさっき『ポータル』でここにもどれるように したんだね」
アリスがほうほうと感心したように頷いた。
「そしてこれは未確定情報ですが…3階への転移魔法陣もダークエリアのどこかにあると、先行の冒険者たちはウワサしているそうです」
実際1階の魔法陣はかなり大きく描かれていたため、同じくらいの規模の魔法陣がライトエリア側にあれば目立ってしょうがないはず。
ならばダークエリアの未探索領域に魔法陣があると考えるのが自然というものである。
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